今日はノンケな及川さん【HQ男主】

▽067「俺らが」 ページ17

花巻 貴大 side


「っおい、! 待っ……及川!!!」

はだけたジャージ姿の及川を追って、岩泉が部屋を出ていった。

あいつ、ドアの開け閉め乱暴だから、いつも丁寧にしろっつってんのに、開けっぱなしで飛び出していきやがった。…まぁ、実際飛び出してったのは及川なんだけどな。

「A、」

『何……すか…』


それは話しかけた松川に対しての何、だろうか。普段、俺らに見せない姿を見せた及川に対しての何、だろうか。


「あいつ、北一ん頃になんかあったっぽいんだけどさ、全然話してくんねぇの。」

金田一の肩を擦る渡の腕が止まる。

「知ってるのは岩泉だけみてーで。俺とか花とかが何言おうと太刀打ちできねんだけどさ、」

それくらい分かってんよ。
あいつが心開くのはいっつも、“岩ちゃん”、てことくらい。分かってんよ。

「でも、や……、だから、っつった方がいーかな。

　だから、俺らはあいつらを守りたいんだよね。俺達にはわかんねぇ恐怖に怯えてる主将は、ほっとけねーからさ。」

松川がカーテンを開ける音が、ドアの開いた部屋に響く。






飛び出してった原因がお前、っていう線はないわけ…?

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