<22> ページ23
呆気にとられる、とはまさにこのことだと思う。
「…つまり…沖矢さんは私の家に住みたい、と？」
「ええ…あなた方が言う『別の世界』来てしまったのだとすれば…僕は家無しな訳ですから」
「もちろん、彼のように家事でも何でも手伝いますよ」と補足する沖矢さん。いきなりのことで、少し頭が追い付かない。
チラリと反射的に安室さんの方へと目を向けると…まぁ、予想していた通り嫌悪感丸出しの表情を沖矢さんに向けている訳で。
安室さんと沖矢さんの口論が火蓋を切って落とされるような気がして、慌てて二人を宥める。主に安室さんを。
喧嘩するほど仲が良いと言いますが…。
二人をチラチラと見比べながら、息をついた。
…この二人には適用されないでしょうね。
「…第一！成人男性を更に一人養えるほど、彼女は余裕では無いんじゃないですか？」
「そうでしょう、Aさん？」といきなり私に視線を向けられる。最悪なタイミングで話を振らないでください、安室さん。
一度でも赤井秀一だと疑って、今でも疑い続けている男と同居するなんてまっぴらごめんだ、という彼の心情がAに伝わるはずもなく…。
「…あ、いえ、まだまだ余裕はありますよ？沖矢さんがいたとしても、あと一人くらいは余裕ですから」
そうケロリとした表情で答える彼女に、彼は言葉を詰まらせた。火に油を注ぐように、沖矢は彼に言葉を向けた。
「この部屋の家主は彼女でしょう？決定権は彼女にある。君が決めることじゃない」
今にも噛みつきそうな勢いで言葉を返そうとした安室さんだが、冷静さと落ち着きを取り戻したのか、再び私に話を振る。
「…そうですね、確かに貴方の言う通りです。ここはAさんに決めてもらいましょう」
いや、安室さん。そんな剣幕のあとに決定を私に迫られても、ただの嫌がらせとしか思えないのですが…。
まぁ、今までの話の流れからすると…沖矢さんと同居するかしないかを決定するのは私にある…ということでしょうか。
でも、まぁ私の答えは…今決めずとも、元から決まっていた。
「嫌です」
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←<21>
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美華 - 更新頑張って下さい！続き待ってます！ (2017年5月11日 20時) (
レス) id: c90045752e (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫ラピスラズリ - 凄く面白いですね！続き、とても気になります！これからも頑張ってください！！ (2017年1月29日 7時) (レス) id: 54b8368fd9 (このIDを非表示/違反報告)
皇 - 続きとても気になるです！更新頑張ってくださいね♪応援してます！ (2017年1月5日 21時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
都 - 初めまして。都です。いきなりですいませんが、この作品、とっても面白いです。文章が、読みやすく、具体的で素晴らしいと思います。ぜひ、これからも頑張って下さい！応援しています！ (2016年12月18日 9時) (レス) id: 94bc634eba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リッタ | 作成日時：2016年11月23日 22時
