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彼の頭の中では、『ここはどこだ』という疑問よりも、『何故自分がここにいるのか』という疑問の方が割合が大きかった。
……まさか、組織が? いや、だったら拘束ぐらいはされているだろう。
じゃあ、一体誰が…?
……分からない。今の現状では、情報が不足している。
ふぅ、と知らないうちに詰めていた息を吐き出す。 これ以上考えても答えは出ないだろう。 今は、ここから出なければ…そう考えていた矢先だった。
____ガチャリ。
不意に後ろの方でドアの開く音が聞こえ、まさか、と急いで振り返った瞬間だった。
ドサリ、と鈍い音が部屋に響き、少し遅れた後にコロコロとリンゴが俺の足元に転がってきた。 俺の足元にコツンと、リンゴがぶつかり小さく跳ね返る。
この部屋の家人だろうか。 目の前には、無造作に放置された長い黒髪をした、見知らぬ女性。その目は大きく見開かれており、体は少し震えていた。
……最悪のタイミング。
その女性が震え声で「空き巣」と呟いた気がして、俺の腕は反射的に、携帯を持っていない方の彼女の手首を掴んでいた。
ひっ、と彼女の悲鳴が漏れ出そうになる口に、そっと指を添える。
彼女を落ち着かせるように、宥めるように声を掛けてはみたものの、震えは止まらない。
…さて、どうしたものか。
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美華 - 更新頑張って下さい!続き待ってます! (2017年5月11日 20時) (レス) id: c90045752e (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫ラピスラズリ - 凄く面白いですね!続き、とても気になります!これからも頑張ってください!! (2017年1月29日 7時) (レス) id: 54b8368fd9 (このIDを非表示/違反報告)
皇 - 続きとても気になるです!更新頑張ってくださいね♪応援してます! (2017年1月5日 21時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
都 - 初めまして。都です。いきなりですいませんが、この作品、とっても面白いです。文章が、読みやすく、具体的で素晴らしいと思います。ぜひ、これからも頑張って下さい!応援しています! (2016年12月18日 9時) (レス) id: 94bc634eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リッタ | 作成日時:2016年11月23日 22時