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___ガラガラ



ドアを開けて教室の中を見渡す


「(だろうな)」


予想通りAの姿はなかった
俺は自分の席に座り机の中から本を出す

しおりに手をかけ本を開こうとした時




『あれ、そこ恵の席だったの?』


「_っ!?」




俺の視界の左端、つまり窓の外からひょっこりと顔を出したA




「お前、居たのか」


『居たのか、って"待ってろ"って言ったの恵じゃん』


「そう、だったな」




こいつ人の言うこと素直に聞くヤツだったか?
なんて失礼なことを思いながら、先程先生から預かったものを差し出す




「ん」


『何これ、あ、学生証か』


「無くすなよ」


『…善処する』




いや、やっぱり信用ならねぇな

なんて思いながら俺は疑問に思っていることをAに聞いてみることにした




「なぁ」


『ん〜』


「なんでお前"ここ(高専)"に来たんだよ」




すると一瞬、本当に一瞬だが、Aの表情が曇った

そして




『自由になりたかったから』



どこか寂しそうな表情をしたかと思えば
いつもより少し低い声でそう呟くA




「…五条先生が、誘拐してきたって言ってたぞ」


『何それ、それじゃ悟が悪いみたいじゃん』




なんで名前呼びなんだよ…

いや、今はそんなことどうでもいいか




「違うのか?」


『違う、たまたま家に来てた悟に私が頼んだの

"この家から連れ出して"って』




そこまでして家から出たかったのか?
相当酷い扱いを受けていたとか、呪術師の家系なら珍しい話じゃないしな

それと、"藤院"って名前、どこかで…




『もういい?』


「あ?あぁ…」



先ほどの曇った表情とは打って変わって眠そうに欠伸をしながら尋ねてくるA

まだ聞きたいことがあったのだが思わず肯定の言葉を返してしまった

窓の外を見れば既にグラウンドの方へと歩き出しているAの後姿
その数メートル後ろには真っ白な猫


「("藤院"と"猫")」


気になることが1つ増えたな…

なんて思いながら机の上に置きっぱなしの本を手に取りしおりに手をかける

その時




「A〜!」




…俺に本を読ませてくれ

勢いよく現れたのは虎杖と釘崎




「あれ?伏黒じゃんAは?」


「Aならさっき出ていったぞ」


「ほんとじっとしてないわねあの猫娘」




まぁ、それは俺も同感だ


結局謎が増えただけで何も解決しなかったな


「(再度五条先生に聞くしかないか…)」


俺はそう思い、今度こそ、と本を手に取った

普通→←学生証



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k - とても面白い、、、更新頑張ってください! (5月21日 13時) (レス) @page25 id: 5c864d8d23 (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 俺は猫派だ!!!!!! (2023年1月6日 13時) (レス) @page25 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです…‼︎続きが気になります… (2022年11月18日 4時) (レス) @page25 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珠月 | 作成日時:2021年5月5日 21時

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