違う ページ22
−A side−
………
『何』
恵からめちゃくちゃ視線を感じる
「あ、いや、悪い」
そう言いながら視線を逸らす恵に
『意外だった?』
なんて言えば"図星だ"みたいな顔をして「いや、そういう訳じゃ…」なんてモゴモゴ言っている
あまり表情豊かな方ではないけど、なんかこう、わかりやすいよね
『恵って嘘つけなさそう』
「バカにしてんのか」
『いや褒めてる』
私とは正反対
平気な顔して本心を隠す私とは
羨ましいなんて思う資格ないけど
今目の前にいる3人はキラキラしている
呪術師なんてこと忘れちゃうくらい
あたしとは
違う
だから、ほんのちょっとだけ、仲良くなりたい…って思ってしまったの
"受け継いだ者"じゃなくて"私"を見てくれている気がするから
「おい」
顔だけをそちらに向けると
少し怒ったような表情の恵
「お前が今までどんな風に育てられてきたか俺達にはよく分からないし、別に知りたいとも思わない
ただ、今ここにいるお前は俺達と同じ"呪術師"の"A"だ、それ以上でも以下でもない
だから、なんだ、あー…」
「ったく、珍しくいいこと言い出したと思ったのに締まらないわね」
「うるせぇ…」
「A!」
急に名前を呼ばれて反射的に野薔薇の方を見る
「あんたはもう仲間!あたし達に遠慮なんかしなくていいの!もちろんあんたにも遠慮なんかしないわよ?」
「俺ももっとAと仲良くなりてぇ!」
"
聞いてるこっちが申し訳なくなるほどだった
『(あの時の息苦しさとは全然違う)』
ふふ…
『ここに来れてよかった』
ほんとに
「…ちょ、ちょっとA、もう1回その顔で写真撮らせなさいよ」
『え』
「俺、Aが笑ってんの初めて見た!」
そうだったかな
"今日は機嫌がいい"
"今日はあまり笑わないが何か気に入らなかったのか"
引き取られてすぐはそんなことをよく言われていた
いちいち気にしてもらうのも申し訳ないからいつからか無表情がデフォルトになっていた
『(いや、別に感情がないわけじゃないけど)』
ただ、私の感情で周りの人を振り回したくないだけ
まぁ、ここではその心配もないみたいだけど
「俺は見たことあるけどな」
「なに急にマウント取りにきてんのよ」
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k - とても面白い、、、更新頑張ってください! (5月21日 13時) (レス) @page25 id: 5c864d8d23 (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 俺は猫派だ!!!!!! (2023年1月6日 13時) (レス) @page25 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです…‼︎続きが気になります… (2022年11月18日 4時) (レス) @page25 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠月 | 作成日時:2021年5月5日 21時