俺、犬派なんで【伏黒恵】 (ページ17)

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羨ましいページ17

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『＿＿＿、』

「？」

校舎裏に近づいた時、話し声？が聞こえた

「(誰かと一緒にいるのか？)」

そう思いそっと校舎の影から覗き込む

！

そこには

『ちょっ、くすぐったいってば』

「にゃー」

『あはは、お腹すいてたの？』

子猫と楽しそうにじゃれ合うAの姿
いつものポーカーフェイスではなく年相応、いやそれよりも少し幼い顔で声を出して笑っている

「(あいつのあんな顔初めて見た…)」

思わずガン見していると

バチッ

！？

A、ではなく子猫と目が合った
その瞬間Aの腕からするりと抜け出した子猫は真っ直ぐ俺の方にやってくる

まずいバレる

いや、何もまずくは無いのか

『おーい、どこ行く、の』

今度は子猫を目で追っていたAとバッチリ目が合う

『なんだ、恵じゃん』

先程まで子猫と戯れていたからかいつもは見せないような表情で話しかけてくる

そして俺の足元に擦り寄っている子猫を見ながら

『あーあ、恵には勝てないな』

「何がだよ」

『動物タラシが来たらそっちいっちゃうじゃん』

なんてほっぺたを膨らませながら言うA

「(こいつ動物いるとなんか変わるな)」

未だにむくれているAのほっぺたに先程買った飲み物を押し付ける

『くれるの？』

「やるからフラフラ居なくなるのやめろ」

『何それ餌付け？』

なんて言って笑っている

「餌付けしたら言うこと聞くのかよ」

『んー、どうだろ』

「そこは聞くって言えよ」

そう言いながらクスクス笑っているAの隣に座る

すると先程から後ろをちょこちょことついて回っていた子猫が俺の足の上に乗り丸まる

『あー、いーなー』

「さっきまでじゃれてただろ」

『違う、猫が』

「は？」

『ん？』

そう言って首を傾げたAは子猫の頭を撫で始める

……

いや、首を傾げたいのはこっちだ
ちょっと意味がわからない

猫が乗ってくる"俺"が羨ましいんじゃなくて
俺に乗ってる"猫"が羨ましいみたいに聞こえたぞ

たがAのことだ
深い意味は無いだろう

考えるだけ無駄だなと思い

「連絡先」

と言うと、下を向いていたAが顔を上げる
俺の足の上にいる猫を撫でていた為、当たり前だが

近い

Aは気にもしていない様子で俺を見つめている

「連絡先教えろ」

『急に俺様だね』

なんて言いながらも制服のポケットに手を突っ込むA

『あ、スマホ部屋だ』