俺、犬派なんで 【伏黒恵】

理由 ページ15

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「そこまで揃ってて…」


「そう、揃いすぎたんだよ」




ますます分からない…




「Aは元々"藤院"の子供じゃない」


「！」


「藤院家は昔、御三家の次位には大きな勢力だったんじゃないかな、でも突然術式を持つ子が産まれなくなった、そして藤院家はあっという間に衰退したんだ」




この世界、実力が全てみたいなもんだからな…




「Aの母親は藤院家を出て"一般人"と結婚したんだ、そしてAが産まれた、最初のうちは普通に暮らしてたらしいけどどっかでAの力が開花しちゃったんだろうね、相伝…"四凶喚起術"を受け継いでたんだよ

それにいち早く気づいた母親は必死で本家からAを隠したけどまぁ無駄だよね

小学校卒業と同時にAは藤院家に引き取られたっていうかもうほぼ拉致だよね、事情を知らない父親には適当なことを言って

藤院家の跡継ぎとして育てられてきた子達はAのお世話係として成り下がった、それもAにとって気分がいいことではなかっただろうね、それから学校にも行かせて貰えず、なんでも与えられ、ひたすら家でそれはそれは大事に育てられた、そして再び力を取り戻そうとした藤院家はAの存在を表にだした

そんでもちろん御三家の僕にも話が入ってきて様子見に行った時にAと会ったってわけ」


「その時に？」


「そう
自分がここに来たせいで辛い思いをしている子がいる、私はここに居るべき存在じゃないって」




それで五条先生に頼んで連れ出してもらったのか


でも…




「実の親のところには？」


「戻ったところで同じことの繰り返しだろうからって
あ、Aには言ってないけど、ご両親とはこっちでちゃんと連絡とってるから大丈夫だよ？よろしくされちゃってるし僕」




こういうところはしっかりしてるんだよな




「シロ、とのことは？」


「ん〜、それは僕もいまいちよく分かってないんだよね、母親に聞いてみたけどそれは知らないって言ってたから藤院でなんかあったのは確実なんだけど」




この人でも分からないことあるんだな

まぁいい、だいたいの謎は解けた




「で、なんで1級なんですか」


「あー、それは本人の希望」


「Aの？」


「目立ちたくないって」




それだけの理由でか

ほんとに自由人だな




「でも、直ぐに昇級になるんじゃないですか？」


「既に話は来てるよ、おじいちゃん達があんな逸材ほっとくわけないでしょ〜」





あぁ、たしかに

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