37. ��. ページ37
眠ってる智くんの、そばに行って。
その姿をずっと、側で見守って。
目が覚めたときに、開いたその目にいちばんに、
映ろうと、思っていた。
…でも、
「……！」
扉を引いた次の瞬間、
ベッドの上、ヘッドレストから前のめり気味で起き上がって座ってる智くんの潤んだ瞳と目が合って、
「……おきてた、…の？｣
起きてたの、と言うが早いか布団がばっと剥いでこちらに向かってこようとしたからもう、
扉の前でさっき、落ち着かせた息なんてなかったみたいに駆け出して、その身体を、ベッドに留めるのに必死。
「きゅうにうごくと、よくないよ」
焦りと戸惑いを隠した、精一杯の、甘さで。
微笑んでる、つもりの俺を、
見上げたその瞳に次々溢れる涙も、
震える唇も、
ぎゅうっと掛け布団を握ってる両手も、
心もたなく誰かを待ってる子犬みたいで、
ずっとそうして、
扉を見つめ続けていたのかと思うと、
ずっとずっとそうして誰かを、
………もしかしたら俺を、
待っていたのかと思うともう、
その心の内の不安を、恐れを、想像してみるともう、
その言葉を聞く前に、
その想いを聞く前に、
その震える体を言葉ごと想いごとこの手で、抱きしめる以外になかった。
俺に言おうとしてる「こと」なんて、分かってる。
心底「そう」、思ってることも、
なにより自分がしたことを今、どう思ってるのかも、分かってる。
俺が何を言ったって、
俺たちがどう言ったって、
智くん自身が自分自身を、許さないことも、分かってる。
背中に回らない腕が、
上がらない顔が震えたままの手が、
俺のその、“分かってる” が間違ってないって、言ってる。
でも、だから、だからこそ、
ね、伝えたいのは、伝えに来たのはそんなことじゃないんだ。
聞いて欲しいのは、聞きたいのは、
そんなことじゃないんだ。
いくつもの “どうして” も、
数えきれない “なぜ” も、
確かにここに、此処に、在るけれど。
欲しいのはその、答え、なんかじゃないこと。
気付けたから。
智くん。
ねぇ、智くん。
変わらない想いを、
『あなたはあなたのままでいい』
時を経てもやっぱり、
何が起こってもやっぱり、
変わっていなかった想いをまた、
……ね。
聞いてもらっても、いいかな。
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やよい(プロフ) - 智くんの背中に回された翔くんの手、翔くんの声(私は翔くんの低音ボイスが大好きです)、翔くんほど、智くんのパートナーに相応しい人はいないんじゃないかと思っています。また、お話を楽しみにしていますね。 (2021年9月1日 0時) (
レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手は智くんより大きくて、男らしくて、頼りがいがあって、私見ですが、温かくて、優しくて、智くんを守っている感じがします。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手と智くんの手が合わさっている画像、ネットで拾って、何枚も集めています。また、翔くんによる智くんへのエスコートの動画も集めています＝ほぼ変態の域かもしれません(^◇^;)。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - そう言う願いから、そう言う夢から、色々なものが研究され、発達して来たんですね。 翔くんの言葉、素敵です。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 鼓膜が破壊されてしまっていても、いつか、再生医療が発達して、智くんの耳が微かでも音を拾えるようになれば良いのに。翔くんの声だけでも。そう祈ってます。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年10月17日 0時
