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華美な装飾はないけれど。
その素材だけで、その手触りだけで
他のものとは違う畏怖を感じさせるような
目の前の扉。
その佇まいの向こう
浮かんだのは空を見上げてる、彼の姿。
その横顔も形良い鼻も
くるんと上向きな睫毛さえももう
彼の空への想い、そのもののようで。
見惚れる、というよりは
容易に侵してはならない美しさを纏う凛としたその姿に
いつも声をかけるのが少し、躊躇われていたあの頃。
あぁもう。
まったくどんなときでも俺は、『智くん』なんだな。
.....と思うに至り
嬉しいんだか、情けないんだか恥ずかしいんだか、とにかく零れたのは複雑な感情を乗せた笑み。
『気分転換、していらっしゃい』
と半ば強引に追い立てられるように背中を押され、その扉を閉められたらもう
そのまま体を沈めるしかなかった、離れの露天風呂。
こんな気分に相応しくないほどその景色は美しく
こんな俺、に相応しくないほど、柔らかいお湯は体を穏やかに包みこんでくれてでも
それに抗う気持ちの隙間さえ存在していなかった俺は
身体が求めるままにその温もりに浸り
ぼおっ、とした頭のままその美しさを享受し
それでも目に映る景色が、体を温めるだけに使うには贅沢過ぎるような気がして
逃げるように出て行けるくらいにはまだ思考力があることにまた、自責の念が、湧き出して。
気付いたらずるずると、中庭を歩いていた。
見上げた月にでさえ
そこに想うのは、そこに浮かぶのは智くんのこと。
みんなに心配かけた
迷惑かけたと苦しんでいる
戦慄く体と涙の色と、ごめんなさいと、震える声。
俺はどうしたら、...どうした、ら。
でもなんであんなことを?
なんであんな冷たい海に自ら、身を沈ませるようなことを？
心を襲うのは、考えても考えても答えの出ない疑問。
いっそあの月の方が答えを知っていそうで、情けなくて、それでも。
『いつまでもその方を、不幸せやと思ってはなりません』
なんででも、どうして、でも。
情けないけど、何が正しいかなんて、考えても考えても分からないけど。
……俺が、なすべきこと、は。
｢…はいるよ？さとしくん｣
……ねぇ、智くん。
あなたにね
伝えたいことと、知ってほしいこと、あるんだ。
俺、それを伝えに……ここに、来たよ。
だから、だから……
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やよい(プロフ) - 智くんの背中に回された翔くんの手、翔くんの声(私は翔くんの低音ボイスが大好きです)、翔くんほど、智くんのパートナーに相応しい人はいないんじゃないかと思っています。また、お話を楽しみにしていますね。 (2021年9月1日 0時) (
レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手は智くんより大きくて、男らしくて、頼りがいがあって、私見ですが、温かくて、優しくて、智くんを守っている感じがします。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手と智くんの手が合わさっている画像、ネットで拾って、何枚も集めています。また、翔くんによる智くんへのエスコートの動画も集めています＝ほぼ変態の域かもしれません(^◇^;)。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - そう言う願いから、そう言う夢から、色々なものが研究され、発達して来たんですね。 翔くんの言葉、素敵です。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 鼓膜が破壊されてしまっていても、いつか、再生医療が発達して、智くんの耳が微かでも音を拾えるようになれば良いのに。翔くんの声だけでも。そう祈ってます。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年10月17日 0時
