24. �� ページ24
引き戻しても引き戻しても
向こうへ向こうへと、進む身体
この細い体のどこにこんな力があるのだろうと思うほど
深い方へ
深い方へ
『ちょっっ.....大野さんっっ！！待って！！何してっっ.....』
岸へと押し寄せる波に
逆らい続ける身体は俺から逃れたいと言わんばかりに
荒れ狂う波をかき分け
先へ先へと、進もうとする
なんで、なんて問いは、置いてきた
どうして、って聞くなんて、思いつきも、しなかった
ただ
『大野さんっっ！！大野さんやめてっっ！！止まって！！』
ただ
『大野さっっ...ねぇっっ.....ねぇ大野さんってばっっ！！！』
ただただただ
『おおのさんっっっ.....やめっっ....こっちむいて大野さんっっっ！！！』
その名前を、呼んでいた
聞こえるはずないのに
彼には俺の声、届かないのに
そんなこと、分かり切ってるはずなのに
大好きなその名前を
ずっと、ずっと愛おしさだけを込めて呼んできたその名前を
喉が千切れても構わないと思うほど
必死に必死に、叫び続けていた
腰まで浸かった水
水を吸った重たいジーパン
体中に降りかかる水しぶき
響くのはただ
俺の声と、海を掻き混ぜる激しい水音
掴んでも掴んでも離れていく手
引き寄せても引き寄せても離れていく身体
俺のことなんてまったく写していないのに
行くべきどこかを、見定めているようなその瞳
頭のどこを使ったら
この状況が理解できて
心のどこを使ったら今このひとが
俺の手を、腕を振り払い
なおも深い方へ、深い方へともがきながら進もうとしているこのひとの意図が見えるのか
分からなくて
もう全然、全然分からなくて
でもそんなこと考えられる隙間も瞬間もどこにもなくて
『カズッッッ！！！』
『リーダー！！！』
遠くから、鋭い叫び声が聞こえてきても
海をかき分けやって来る、波しぶきの音が迫り来ても
俺はずっと
ずっとずっとずっと
『大野さんっっ！！大野さんっっっ！！！』
ただ
ただ愛しいひとのいとしい名前を
呼んでいた
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やよい(プロフ) - 智くんの背中に回された翔くんの手、翔くんの声(私は翔くんの低音ボイスが大好きです)、翔くんほど、智くんのパートナーに相応しい人はいないんじゃないかと思っています。また、お話を楽しみにしていますね。 (2021年9月1日 0時) (
レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手は智くんより大きくて、男らしくて、頼りがいがあって、私見ですが、温かくて、優しくて、智くんを守っている感じがします。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手と智くんの手が合わさっている画像、ネットで拾って、何枚も集めています。また、翔くんによる智くんへのエスコートの動画も集めています＝ほぼ変態の域かもしれません(^◇^;)。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - そう言う願いから、そう言う夢から、色々なものが研究され、発達して来たんですね。 翔くんの言葉、素敵です。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 鼓膜が破壊されてしまっていても、いつか、再生医療が発達して、智くんの耳が微かでも音を拾えるようになれば良いのに。翔くんの声だけでも。そう祈ってます。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年10月17日 0時
