23. �� ページ23
三段飛ばしで降りて行った階段の最後、
残ったのは、いちにぃさ.....五段。
うーん、ちゅうとはんぱ。
どうしよう、と考えたのち、
選んだのは渾身の大ジャンプ。うん、無謀。
それでも『えーい！！』とジャンプして、
階段五段分、空をしゅうっと横切り、
とうっ！！と着地してふんっっ！！と立ち上がって、
....小学生みたいだな、と思いながらも、その一連が上手に出来た自分が、
なんだかなんだか、嬉しくて。
いやいやそれにしても落ち着きなさいヨと、
冷静な方の俺の声が聞こえた気もしたけれど、
上の方から連れてきた想いと重なってワクワクがマシマシになっていた俺が、
視線の先にいるであろう大野さんに向けた顔は、
多分、史上最大に口角が、上がっていたと思う。
それなのに。
『........あ、れ？』
その俺史上最高の笑顔を見てくれるはずのひとは、
そこに、いなくて。
『........あれ、大野....さん？』
持ってきた毛布ごと、
連れてきたワクワクごと、
嬉しい嬉しい予感ごとその背中に、
どーん！！とぶつかりたかったひとは、
いるべき場所にいなくて。
『.....え、......あ、...れ？』
風になびくふわふわの髪の毛が、
ずっと変わらずお気に入りの、柔らかなダッフルコート着た愛らしいその姿が、
どこにも、どこにもなくて。
『....うそ....うそでしょ....？大野...さん？』
一歩ずつ、砂浜を進むたびに、
足元の砂が、ザリザリと音を立てるたびに、
冷たいものが背中を、下りていく。
わけの分からない出来事、
理解のできない異常事態、
警報音は、音を立てて鳴り響いているはずなのに、
駆け出したいはずの体は鉛のように重く、
その姿を、一秒でも早く捉えたい瞳が映す視界は、
その対象を隠すように、ぼやけてる。
それでも目を凝らして、
耳も澄まして、
広いビーチのあっちからこっち、隅から隅まで見渡して、
『...えっ......』
……ねぇどうして、
警告音はその音をより強く、響かせようと、するのだろう。
どうして心臓はその鼓動をまだ、
速めようと、するのだろう。
どうして、
ねぇ、
ねぇどうして、
『………大野さんっっ！！！！』
どうして現実はいつも予想を超えて、
目の前に、
立ちはだかるのだろう。
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やよい(プロフ) - 智くんの背中に回された翔くんの手、翔くんの声(私は翔くんの低音ボイスが大好きです)、翔くんほど、智くんのパートナーに相応しい人はいないんじゃないかと思っています。また、お話を楽しみにしていますね。 (2021年9月1日 0時) (
レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手は智くんより大きくて、男らしくて、頼りがいがあって、私見ですが、温かくて、優しくて、智くんを守っている感じがします。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手と智くんの手が合わさっている画像、ネットで拾って、何枚も集めています。また、翔くんによる智くんへのエスコートの動画も集めています＝ほぼ変態の域かもしれません(^◇^;)。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - そう言う願いから、そう言う夢から、色々なものが研究され、発達して来たんですね。 翔くんの言葉、素敵です。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 鼓膜が破壊されてしまっていても、いつか、再生医療が発達して、智くんの耳が微かでも音を拾えるようになれば良いのに。翔くんの声だけでも。そう祈ってます。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年10月17日 0時
