22. �掘� ページ22
空にはもう少しでまんまるになりそうな、
金色に輝く月が、浮かんでいた。
冬の冴えた空気の中、
漆黒の空に浮かぶ金色はそれはそれは美しくて、
願いをかければ本当に、
叶えてくれそうな予感がするほど。
こんな月を、
ほんとうは新幹線の窓から、見ているはずだった。
こんなに広く、
切り取られた窓からじゃなくて。
こんなにお月様が、
似合う庭と一緒に、じゃなくて。
たくさん出来た思い出を、
たくさんの幸せな気持ちと一緒にそこに浮かべながら、
俺の家の、ちっさなベランダから見上げている、はずだった。
こんな、
こんなこんな、
「ニノ」
こんな、ところからじゃなくて、
「ニノっ」
こんな、こんな遠いところからじゃなくて、
こんな、こんな、
....いやだ、
........いやだいやだ連れて行かないで、連れていかない.......
｢ニノっ！！！｣
｢……ッッ！！！｣
体をぎゅっと、引き戻されたような感覚がして。
ハッ、と顔をあげれば目の前にあったのは、
相葉さんの顔。
俺の肩をがっしり掴んで、
必死な顔で、心配そうに眉毛を寄せて、
その向こう、ぼやける視界のはしっこで潤くんが、
おんなじような顔して、俺のこと、見てる。
……あれ、俺今なに、考えてたんだっけ…
｢.......そんなにギュッてしたら....手、血が出ちゃうよ？｣
どうして相葉さん、
そんなふうに、笑ってるんだっけ、
潤くんはどうして、そんな顔して俺を、見てるんだっけ、
ねぇ、どうしてみんな、髪、濡れてるんだっけ、
ねぇどうして、どうして………
……ううん、違う。
俺、知ってる。
そのわけちゃんと、分かる。
忘れてなんて、ない。
覚えてなくなんて、ない。
あの時を、
あの景色を、
あの瞬間を、
『...えっ......』
あの時の、
あの、景色の、
あの、心が心臓ごと握りつぶされたような瞬間の、
『………大野さんっっ！！！！』
体中を走り抜けた恐怖を、
背中を駆け抜けた顫動を、
覚えてなくなんて、ない。
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やよい(プロフ) - 智くんの背中に回された翔くんの手、翔くんの声(私は翔くんの低音ボイスが大好きです)、翔くんほど、智くんのパートナーに相応しい人はいないんじゃないかと思っています。また、お話を楽しみにしていますね。 (2021年9月1日 0時) (
レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手は智くんより大きくて、男らしくて、頼りがいがあって、私見ですが、温かくて、優しくて、智くんを守っている感じがします。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手と智くんの手が合わさっている画像、ネットで拾って、何枚も集めています。また、翔くんによる智くんへのエスコートの動画も集めています＝ほぼ変態の域かもしれません(^◇^;)。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - そう言う願いから、そう言う夢から、色々なものが研究され、発達して来たんですね。 翔くんの言葉、素敵です。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 鼓膜が破壊されてしまっていても、いつか、再生医療が発達して、智くんの耳が微かでも音を拾えるようになれば良いのに。翔くんの声だけでも。そう祈ってます。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年10月17日 0時
