1. The Story of episode ０ 『第3話 : BRAVE』【14】 ページ1
聞こえるのは、
時計が針を、刻む音。
智くんの優しい微笑みに見送られ、
それでも一向に軽くならない重く苦しい足取りで、
辿り着いたのは、監査室。
頭の先から爪の先までを、
凄まじい緊張に支配された体は、
さっきからずっと、
目の前に座る監査官の俺をじっと睨みつけている目に射貫かれ、
直立不動で固まった、まま。
「.........ふぅ...」
......その長いため息も、もう何度目だろう。
「................ハァ」
その、俺と手元の書類を見比べて落とすため息ももう、何度目だろう。
不合格だった、
なんてことはもうとっくに分かっているんだから、
もう早く、言ってくれればいいのに。
ちゃんと聞いてよって、智くんが言うから。
ちゃんと試験官したよ、って、智くんが、言ってくれるから。
年に一度入るか入らないかの監査室へ、ようやく足を、向けられたけど。
結果は分かってる、
分かってるけどそれでも、
智くんが、
俺を不合格にした理由をちゃんと、
智くんの言葉として聞こうって、思えたけど。
“ちゃんと”試験官をしてくれた、
その結果を受け止めなきゃという、
覚悟もちゃんと、できたはずなのだけど。
それはやっぱり“はず”でしかなくて。
ドアを開けた瞬間、そこに広がっていた空気は、
酸欠を起こしてしまいそうなほど重く、息苦しく。
息を吐く、
そのことにさえ細心の注意を払いたくなるほど、
ピンと張りつめたこの部屋は俺を、容赦なく拒絶する。
でも。
それでも。
不合格、だった俺より、
不合格を、出さなきゃいけなかった智くんの方がよっぽど、
辛かっただろうから。
哀しかった、だろうから。
そのココロを想うと、
もう何も、なにも言葉を、紡げない。
胸に浮かぶのは、
何度言っても足りないごめんなさいと、何度頭を下げても足りない、申し訳なさ。
まさに胸を張り裂きそうに膨らみ続けるそんな想いに心を捕らわれたまま、
俺はただ、
ただただその『瞬間』を、待っていた。
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やよい(プロフ) - 智くんの背中に回された翔くんの手、翔くんの声(私は翔くんの低音ボイスが大好きです)、翔くんほど、智くんのパートナーに相応しい人はいないんじゃないかと思っています。また、お話を楽しみにしていますね。 (2021年9月1日 0時) (
レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手は智くんより大きくて、男らしくて、頼りがいがあって、私見ですが、温かくて、優しくて、智くんを守っている感じがします。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 翔くんの手と智くんの手が合わさっている画像、ネットで拾って、何枚も集めています。また、翔くんによる智くんへのエスコートの動画も集めています＝ほぼ変態の域かもしれません(^◇^;)。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - そう言う願いから、そう言う夢から、色々なものが研究され、発達して来たんですね。 翔くんの言葉、素敵です。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 鼓膜が破壊されてしまっていても、いつか、再生医療が発達して、智くんの耳が微かでも音を拾えるようになれば良いのに。翔くんの声だけでも。そう祈ってます。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: 7c70da965a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年10月17日 0時
