15. ひとつめの、『あの日』。 ページ15
「....え？」
クライアントとの打ち合わせが、思いのほか早く終わり。
その旨を事務所に連絡すると、『たまには早く帰ったら〜』と言われ、
突然出来た、午後からの休み。
もちろん午後は事務所に戻って仕事をすることにしていたから、
それ以外の予定なんて、入ってるわけはなく。
右往左往した挙句、そうだ本屋に行こう、と思いつきはしたものの、
真っ昼間に本屋でスーツ、なんてシチュエーションは違和感ありまくりなことに気付き、
じゃあ街をぶらぶら？と思いもしたが、今特に欲しいものはないしそれこそこの格好では...
「よし」
.....ということで、先程の打ち合わせで頂いたウルトラ美味しいお菓子を買って家に帰ろうという結論に至り、そのままデパ地下に寄って帰った、午後一時。
お土産を冷蔵庫に入れ、
デパ地下で見つけたこれまた美味しそうなお弁当を食べ、
「よっしゃ！！」
と気合を入れた、午後二時。
いつもは一郎と五郎に任せっきりの、家事だから。
こんなとき、なんて数えるほどもないけれど、
ほんの少しでもその、助けになればと。
始めた家中の拭き掃除がもう少しで終わりそうな、おやつの時間を過ぎた頃。
がちゃんと玄関のドアが、開いた音。
早いな、誰かな、と思いつつ、
そのうちここにやってくるだろうと、キッチンの拭き掃除を、続けたけれど。
いつまでたっても開かないリビングのドアと、聞こえないただいまの声。
「.......?」
変だな、兄弟じゃないのかな、
......え、まさかこわい人！？！？え？？？えぇっっ！？！？
舞賀家の家屋は、
それぞれの部屋に行くのに必ずリビングを通る構造になっているから。
兄弟が帰ってきたら必ず、
今自分が掃除をしているエリアにやって来るはず。
それなのに....
「....どうしよう...すぐお風呂行ったのかな...
でもシャワーの音聞こえないし....そもそもまだ沸かしてないし..」
見かけによらず....かどうかはさておき、わりとビビりな二郎。
それでも今ここには自分しかいないから、
抜き足差し足、を絵に描いたような歩き方で、フライパンを両手に握りしめて向かった先。
そこには、
「......！！いちくん！！！」
靴も脱がず鞄も投げ出したまま、
玄関にぐったりと倒れこむ、兄一郎の姿があった。
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マナ - 作者さんに質問です。あなたは茨城県北茨城市磯原町の出身、または住んでいますか？ (2021年11月27日 20時) (
レス) @page1 id: 8df98fa480 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - こんにちは。その後が気になっています。また、お時間あるときに続きをお願いします。 (2021年7月17日 17時) (レス) id: d5f4de7f1a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - ううっっ！ いちくーん。以上心の叫びでした。きっとこの先に幸せな未来が来るんだよね？ね？ね？心静かに待ちます。 (2021年1月14日 15時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - そか、マイガールだから、舞賀家か〜....なるほどぉ. (2020年8月13日 18時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - あっちゃんさん» 続)「うちのいっちゃん」なあの写真を想像しながら書いてるよ。なかなか筆が進まないことも多いけど、読んでくれたら嬉しいです。本当にありがとう！！ (2020年8月7日 14時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年3月12日 0時
