空、今日も。〜*another short story*〜 ��

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「カカオニブ？」

「うん。カカオニブ」






小さなつぶつぶの正体は、
『カカオニブ』というカカオ豆をそのまま砕いたものらしい。



抗酸化作用やリラックス効果など、
とにかく体にいい成分がぎゅっと詰まったソレを昨日、


仕事が終わってから、買いに行ってくれたそうだ。








最近の智くんは、行動範囲が広がった。




今までは行かなかったところ、
いや、きっと行きたくても行けなかったところに、


“行ってみる”を、頑張ってる。





そりゃ心配で仕方ないし後ろからこっそりついていきたいしなんなら俺が連れていきたいくらいなんだけど(そしてそれは多分俺だけじゃないだろうけど)





俺もみんなも。


黙ってそれを、応援してる。







そりゃ時々はね、あるよ？
『あいばちゃんとおいしいケーキたべてきた』だの
『ニノとゲームセンターいった』だの






「じゅんくんがね、いっしょにいってくれた」






......だの。...ちぇっ。←








でもそれだって今をこうやって、幸せ色に、彩ってくれるから。






「しょうくんにって、はちみつにつけてあるのはじゅんくんからのおみやげ」







優しい色で、彩ってくれるから。







ガラスポットの中の虹色マカロン
ふうちゃんの隣りにいる白ネコふーうちゃんと三毛猫ふうーうちゃん(named by 雅紀)
カカオニブのお店のオシャレな紙袋





緑に紫、黄色に青に赤。

オレンジに白、薄緑にピンクに水色。





閉じこもりがちだった智くんの毎日に、溢れたたくさんの色。








その色たちはきっと。




俺一人だけでは付けられなかった、色だから。








智くんの日常を包むその温かい色たちに、そして、







「はちみつもげんきのもとだよって、じゅんくんがね、おしえてくれた」







俺の日常をも包むその色たちに、





ほんとに、本当に、感謝してる。








「あ、おいしい」

「そう？よかった」

「ほのかなにがみがいいかんじ」








煌めく太陽


吹き抜ける夏の匂い







「またかってこよ」

「つぎはおれもいく」

「...」

「...やっ...ヤキモチじゃないよっっ!?//」

「......」







コーヒーの香り


あなたの笑顔



そしてそれらを包み込む、優しい優しい想いたち








あなたと過ごす朝


シアワセなシアワセな朝







ねぇ智くん。



今日もきっと。ね。







「...しつれいしました、ヤキモチです」


「んふふふ、うん」







ステキな一日に、なるね。

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