6. アサゴハンノフタリ。 ページ6
「できたよー」
「はいはいー」
長く続いた雨が、ようやく上がった金曜日。
カーテンの隙間から差し込む陽の光が真っ白な床に反射して輝き、
もうすぐ始まる夏を、予感させる朝。
「.........い「いしじゃないよ」」
並ぶ美味しそうな朝ごはんのメニュー。
その中のとあるモノを凝視して固まった俺に、智くんが口を尖らせた。
......ですよね、そうですよね、シツレイイタシマシタ。
なにいってんの?
と言っていそうなその冷たい視線さえ嬉しい、
久しぶりに、ふたり揃った休日。
昨日の帰京は深夜二時過ぎ。
そのまま空港にステイして、
開かないまぶたをむりやりこじ開けたのは朝7時。
薄く開けた目に映った枕元でチカチカ光る青色に飛び起き、
届いていた『朝ごはん一緒に食べよ』のメッセージに眠気は一気に吹っ飛び、
そこから車のエンジンをかけるまでおよそ10分。←ビバ新記録
「......ねぐせ。笑」
「いいの。智くんにしか見せないから」
「なにそれいみわかんない。笑」
ベッドを出た、そのままの勢いで開けた玄関。
そこに漂う、朝ごはんのイイ匂い。
そして目の前にある智くんの、下がった眉毛とふんわり笑顔。
お疲れさまと迎えてくれて、
もうすぐできるから待っててねと座らせてくれて、
おまけに俺御用達の新聞まで渡してくれた一日の始まりは、
どう控えめに言っても最の高。
そしてダイニングに並べてくれた朝ごはんは俺の大好物ばっかりで、
頑張って控えめに言ってもやっぱり、最の高。
その中のメニューの一つ、
ヨーグルトにのせられていた見知らぬ物体の正体でさえ、
「すっごいからだにいいっておしえてもらったから、きのうかいにいったの。
しょうくんにたべてほしくて。さいきん、いそがしいでしょう?」
控えめになんて、どう頑張っても言えないくらいやっぱり、
最の高の高、......の、高の高の高なんだから。
ねぇ智くん。
幸せすぎてどうしよう、って
こういうときに、使うのかな。
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mio(プロフ) - みーこさん» みーこさん、温かい言葉の数々、ありがとうございます。現実はなかなかに厳しいこともありますが、それでも優しさや温かみをひたすらに詰め込め…ていたらいな、と思いながら書いています。これからもよろしくお願いします(´˘`*) (2020年8月14日 12時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - みやさん» 続)おやま脳で聞いたらもう、ふたりのことにしか聞こえなくて(←こら)(/ω\)お互いの想いはきっと、お互いに知ってるふたり。それでもそこをぞんざいにしないって、素敵だよね。いつまでもそんな二人でいて欲しいなぁ…なんて、心配もきっといらないのだろうけど// (2020年8月13日 17時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - みやさん» みやちゃーん!!わー!!嬉しいぃ!!読んでくれたのねっっ!!ありがとう(;A;)そして、そうそう!!そこが書きたかったの!!と思うところを感じてくれて涙涙。わんらぶのりぼーんの歌詞から妄想したお話、「ぼくの気持ちは知ってると思うけど」みたいな言い回しが (2020年8月13日 17時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - ともさん» 続)いんざさまー、とか聞くと夏らしいお話も書きたいな、と思いながら……なかなかに遅筆ですが、また更新した際には、読みにいらして下さいね。いつも本当にありがとうございますm(_ _)m (2020年8月13日 17時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - ともさん» ともさん。いつもコメント頂き、ありがとうございます。暑いしお出かけも出来ないし、夏はなかなかに厳しいですが、ほんの少しでも癒しになっていたら嬉しいです(´˘`*)もうね、りぼーんのあれこれの英語歌詞がエモすぎて…悶絶しております(笑)。 (2020年8月13日 17時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mio | 作成日時:2019年7月2日 18時