空、今日も。〜*another short story*〜 ��

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広げたプレゼントたちを大事にしまっている最中になったチャイムは

松兄からのクール便。




キッチンで開けたそこには



「おー！!かいーー！！」



俺の大好物たちが、詰まっていた。





やっぱ日本酒だよねと意見の一致した俺たちは
すっかり暗くなった空のもと、もう一度、乾杯をした。




「あいされてるね、しょーくん」

「あなたのおかげだよ」

「なにそれ。笑」




半分酔っぱらって、ふわふわ笑ってる智くん。

もともとそんな食べる方じゃないけど
智くんだって好きなはずの貝類を、２、３枚食べて手を付けないでいるのは多分、俺のため。




届いた贈り物はもちろん、智くんのこういうささやかな気遣いは俺に

十分すぎるほどの幸せを、連れてくる。






幸せってさ。

こんな僅かな、小さな小さな愛を、見逃さないことなんじゃないかな。


でっかい愛を、存分に感じることももちろんだけど。

自分に注がれてる優しさや思いやりに、ちゃんと気付くことなんじゃないかな。





「にのたちにありがとう、いわなきゃね」

「そうだね」

「ぷれぜんとありがとうと...」

「...と？」




...と？
と聞き返すと、照れくさそうにふふっと笑って立ち上がる智くん。





「あとはあしたにしよっか」
「うん」

「もうおなかいっぱいだよね」
「ううん、だいじょうぶ。ケーキたべれるくらいは、あいてる」

「えっっ！?」

「というより、あけてる」
「....!!//」






生まれたことの意味を
ここに生きる意味を考えるとき

浮かんでくるのは大切な人たちの笑顔、そして






「さとしくんのプレゼントもらわないと、たんじょうびはおわれないもん」






あなたの、笑顔。






何気ない日々が
繰り返す日々が
鮮やかに彩られているのは他でもない

そのひとたちがいてくれるから。




あなたがいてくれるから。







心に浮かぶ想い。


限りない限りない、想い。






俺の目の前で、お皿を片付けようと半分立ち上がったまま
顔を真っ赤にして口をパクパクさせてなんでしってるの？って、その表情で俺に聞いてるひとは







俺に愛を、教えてくれたひと。

幸せの在処を、教えてくれたひと。






奇跡的な確率で生まれてくる俺たちが出逢いともにここにいるのは


きっと、天文学的な確率なんだ。






だから今日は
今日は素直に、伝えてみようかな。




ねぇ智くん。それはね。






「それはね」







それはあなたのことが







「せかいでいちばん...」

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