空、今日も。〜*another short story*〜 ��

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「......どないもこないも、『そない』か...」

「はっ？？」

「よかったなーさとしー」

「さっきから何言ってるんですか課長」

「立ち位置確認ちうー」

「だから何言ってるんですかってば！！そしてやっぱりお行儀悪いですってばもうっっ！！」









娘を嫁に出す父親は、こんな気分なんやなぁ...







自らの立ち位置を“そう”決めた堂本は、

大野から届いていたメールに、ぽちぽちと返事を打ち始める。







宛名はもちろん、

「櫻井様」。







冷やかしてなんていない。

もちろん、ノリでも冗談でもない。




幸せそうに笑う大野の顔や、
それを囲む櫻井の彼らの、さらに幸せそうな顔を思い浮かべたらむしろ、




涙で視界が、揺らぎそうなくらいだから。









「よかったな、智」








堂本はもう一度呟く。



そして出来ることはなんでも、してやろうと思う。









彼が見つけた幸せが、永遠に続くように。




「幸せである」そのことにはどんな心配事も、どんな不安も、無いように。




病めるときも、健やかなるときも。
笑顔のときも、涙のときも。


ずっとずっと『そない』な幸せが、彼のそばに、あるように。








「なんや剛、あんにゅいを絵に描いたようになってんで」

「ムスメが嫁に行ってん」

「ほー」

「くそおとこまえのだんなつかまえてん」

「へー」

「......」

「...グスッ」←








梅雨明け迫る、七月の朝。


雨が上がったばかりの空に、大きな大きな虹の橋が架かる午前九時。






寄り添い合うふたりを想いながら。
心配、ではあるけどでも、きっと大丈夫だとも、思いながら。








『了解しました。
はように連絡くれてありがとう。
運航部の部長にはもう連絡したさかい、心配せんときや。

気ぃ付けて行くんやで。
タクシー呼べるんか？呼べへんかったら言いや。
一階に降りるときは階段やのうてエレベーター使うんやで。
昼頃雨降るらしいから、気ぃつけや。なんかあったらいつで「なんやオモイなそれ」』








「愛や、愛」

「うっとーしー言われんで」

「うちのムスメはそないなこと言わんもーん」

「......せやな」

「おう、せやせや」









溢れんばかりの愛を、ながーーい言葉に変えて。







届けたソレにこれまた丁寧な丁寧な返事が来て、

ついに涙腺が崩壊するのはあと、４時間後のこと。








「う゛おぉぉぉおん!!」

「えぇムスメもったなぁ」

「わがってぐれるかこーいちぃぃぃい!!」

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