空、今日も。〜*another short story*〜 ��

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『翔くん明日おーちゃん休みやからな』
『え？なんで？どっか体調悪いって言ってた？』
『いんにゃ、代わってもらってん。
来週どーしても行きたい合コンが入ってんなー♡』
『......ふぅん』






“そんな”理由でマルが
シフトの変更なんて申し出ないことは、知ってる。

そもそも意外と人見知りの彼は合コンには行かない、というか、行けないタイプだと思うし。




分厚い手帳持ち歩いて一か月先の予定まで頭に入れてる松岡さんが
「なんかあった」なんて、あるわけない。




今日の朝イチの便で帰ってきたニノがスタンバイなんてそもそもないし




雅紀が知らなかったのは本当だとしても

沖縄便はそうそう、空きが出るもんじゃない。
...というより、本当にそうかどうかも定かじゃないし。



潤の報告会だって、午前中にちょこーっと役員と話すだけだって聞いたし。







だから気付いてしまった。





みんながくれた、「トクベツ」に。







1月25日。




そう明日はあの日から

あのフライトの日から初めて迎える



俺の、誕生日。







だからきっと。



そうきっと

みんなが俺にくれた贈り物は





「ふたりで」過ごす、時間。









「みんなよていがあるんだって......」







あなたを乗せた、帰り道。


助手席でしゅんとして俯くあなたに哀しそうな顔をさせるのはいたたまれないけれど







「ごめんね...おれがもっとはやく、こえかけてたら...」







小さな声でそう言って
ますます俯くあなたに浮かんでくる感情が

いたたまれない、だけではないことに少し、罪悪感は否めないけど






その計らいが
その限りなく優しい心遣いが

本当に嬉しくて
本当に本当に嬉しくて



......コーンバターラーメン、スープ全部飲めなかったなぁ...








だから。



ねぇ智くん。








「もうごめんはおしまい、ね？」








きっとごめんねはね、いらないんだ。


だって。







「にのたちも、だいせいこうって、おもってるから、きっと」

「えっ？？」

「ふふふ」







勘のいいあなたはそのことに


きっとねそのうち、気付くだろうけど。







だから。

ねぇ智くん。







明日はいっぱい、楽しもう。




いっぱい笑おう。







ニノたちがくれた、たくさんのたくさんの優しさに甘えて。







ねぇ智くん。








「あしたはおれと、でーと、してね？」







智くん。



明日は二人で。






いっぱいいっぱい、幸せをつくろう。

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