28. epilogue of epilogue. 〜1〜 ページ28
「……あーあ、どんよりしてきたな」
時刻は午前、10時20分。
乗客の搭乗が開始された、飛行機の中。
離陸のための最終チェックをしながら、
櫻井さんは、空を見上げて呟く。
「一雨来るかなぁ…」
10時40分、東京発札幌行、JS915便。
この飛行機が空へ飛び立つまで、
あともう、少し。
「……雨男だなぁ、やっぱり。」
そんなこと言いながら、
ちっとも残念そうじゃない声の櫻井さんは、
チェックシートをパタンと閉じると、俺の方を向いてにっこり笑った。
「知ってる？智くん、雨男なんだよ？
気合い入れたらね、嵐呼べるの。」
……うん、知ってる。
いつかあなたが、教えてくれたよ。
「さすがだよね」
俺の返事を待たないまま櫻井さんはそう言うと、
ははっと笑って、サインをしたチェックシートをファイルに閉まった。
さっきからずっと。
櫻井さんは、笑ってる。
“どんより”とか、
“一雨来そう”、とか、言ってたって。
「なんか気合い入れたのかな……
あっ！もしかして俺のフライトをテストするつもりとか？」
どうしようどうしよう！なんて、
オロオロしてたって。
「俺……三点とか付けられたことあった…」
「三点って(笑)。何やったんですか」
「……何って、もぅ全部ダメ！！って、それで…」
きっと思い出してる、
三点をつけられたその出来事に。
眉毛を盛大に、下げてたって。
「ニノも今度採点してもらったら？
あの人本当に容赦ないから。俺点数一桁台なんてザラだったよ？」
「それはないんじゃないですか？大野さん、俺には優しいですし」
俺の、そんなちょっぴりヤキモチ焼けたな、返しにも。
「ははっ。そっかそっか」
……なんて。
ころころコロコロ、表情を変えながらずっと。
ずっとずっと。
幸せそうに、幸せそうに、笑ってる。
きっと。
もう飛行機に乗り込んでいるであろう、大野さん。
『すっごいいい席、取れたからね！！』
えっへん！！
という効果音を背負った相葉さんより、本日発表されたその座席は、
機体前方向かって左側、
中央付近、窓側の、いわゆる“翼にかかる席”と言われる、座席。
この飛行機をどのように飛ばそうとしているのか、それを翼の動き一つ一つで見ることの出来るその席は、
『機長、櫻井翔』の想いを、いちばん側で、感じられる場所。
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とも(プロフ) - 初めまして。夢中で一気読みさせて頂きました。始めは興味本位で…段々読み進める度に涙が止まらなくて…そしてもぉ号泣で嗚咽。お話を読んでこんなに号泣したことなんてないですwとっても素晴らしい作品に出逢えて…感動です。ありがとうございました！ (2020年1月12日 23時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - あとがきに書いてあった通り、長々と引っ張ったんですね。納得しました。ずうっと、ワクワクしながら読んできたので、何かこの章だけ別物のような…続き楽しみに読みます。頑張ってくださいね (2018年4月10日 13時) (レス) id: cf7dd20e98 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - うーん。どうしたんだろう。 (2018年4月10日 13時) (レス) id: cf7dd20e98 (このIDを非表示/違反報告)
日生(プロフ) - 完結、おめでとうございます！言葉が溢れてまとまらないので、感想はまた。本当に大好きです。 (2017年11月20日 23時) (レス) id: 8d640b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
リカ(プロフ) - mioさま☆ シリーズ完結、おめでとうございます！ 続編のスタート、またあの5人に会えることがとてもとても嬉しいです！！ これからもお邪魔させていただきますね。 (2017年11月18日 0時) (レス) id: c3477e2eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2015年10月12日 0時
