君との出会いを奇跡にしたいから 2

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何も言わない優太はしばらく歩いて急に立ち止まった。


『優太？』

「なあ。じんとキスしたのか？」

『えーと、まあ、うん。したよ』


私に振り向きもせずに何も言わなくなって、

それなのに手は繋いだままでいる優太の気持ちが分からない。


『優太だってしたでしょ。水口さんと、付き合ってたんだし』

「してねーよ」

『そっか』

「何奪われちゃってんだよ。Aもじんと付き合ってたから仕方ねぇけどさ、悔しいわ‥。」


付き合う前に奪われたファーストキスの話は内緒にしておこう。


『優太が水口さんと付き合うから悪いんでしょ』

「‥そうだけど」

『もう行こ』


いつまでもこんな所に至って仕方がない。

優太の手を離して追い越して行こうとしたけど

腕を掴まれて引き寄せられたと思ったら優太の胸板が頬に触れた。

デジャブですか。

相変わらず馬鹿みたいに締め付けてきて苦しい。


『苦しいんだけど』

「A、好き。めちゃくちゃ好きだから」


私も‥。そう喉元まで来た言葉は

パッと頭に浮かんだじんくんの顔によって消えた。


『優太、コンビニ行かないの』

「‥‥そうだな！アイス買うって約束だもんな！」

『高いやつだからね』

「おう！任しとけ！」


ちゃんと高いアイスを買ってもらって

食べながら戻った公園には遊び疲れた皆が待っていた。

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