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「A、はい!」

『グローブはもうあるから要らないよ』


優太がにこにこしながら手渡してきたのは

岸優太の刺繍が入ったグローブだ。

既にじんくんに借りてるし断ったのに

いいから、いいから、と急かすように
グローブを小刻みに降って押し付けてくる。


『もう、分かった』


しつこいから受け取ったけど何考えてるのか分からない。


「好きなやつに自分のグローブ貸すのって青春っぽくね?」


ってあまりにも無邪気に笑うから

一瞬、その笑顔に言葉が出なかった。


「A?」

『て‥言うか、2個も必要ないって』

「大丈夫!じんの貸して!」


返事も聞かないでじんくんに借りたグローブを

私の手から奪って優太が向いたのは水口さんの方。


「あんちゃん!グローブこれ使いな!」

「え、ありがとうございます!」

「って。それ俺のじゃん。何勝手に貸してんの」

「神宮寺先輩のだったんですね、お返ししますっ」

「いや 使うのはいいよ」


遠くの方で交わされたこんな彼らのやり取りを

優太は聞きもしないで私を振り返って親指を立てた。


「何やってんの、早くやろーよ」

「紫耀!お待たせ!!じん投げるぞ!」

「はいはい、いいよー」


優太が紫耀から素手でボールを受け取って

今日もキャッチボールが始まる。


柔らかい優太のグローブ。
岸優太の刺繍を見て少しだけ頬が緩んだ。

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みずき(プロフ) - みょん氏さん» すみません!個別で結構です( ; ; )嬉しいです、ありがとうございます! (2019年9月22日 0時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - みずきさん» そうですよね‥わたし的に選択制も視野にいれてはいたのですが、このお話は最後まで一応シナリオが決まっていまして、ですのでもしじんくんオチを書くのであれば選択制ではなく個別に書いても宜しいでしょうか。本当にごめんなさい (2019年9月22日 0時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - さささん» そう言って頂けて本当に安心しました!感謝してもしきれません。暖かいコメントありがとうございました! (2019年9月22日 0時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - きゅんさん» 本当にいつもコメントありがとうございます!きゅんさんのおかげで頑張れています、これからもよろしくお願いします! (2019年9月22日 0時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 一気に読ませていただきました…個人的にはじんくん落ちがいいのですが…( ; ; )( ; ; )( ; ; )結末選択制も視野に入れていただけるとうれしいです…!健気なじんさんにも幸せになってほしいです! (2019年9月20日 22時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みょん氏 | 作成日時:2019年9月12日 20時

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