君との出会いを奇跡にしたいから 2

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「岸先輩！」

「おー！あんちゃん！」


友達の付き添いで来た購買で見かけた岸先輩に声を掛けたら

周りのお友達さんに茶化されながらでも駆け寄ってきてくれた。


「あんちゃんが購買にいんの珍しくね？」

「友達の付き添いで」

「そか！何か買った？」

「今来たところなんでまだです」

「カレーパンお勧めだから食べてみ！マジで美味いから！」

「そうなんですね、じゃあ食べてみます」


私の目の前にいる岸先輩はずっと笑顔で、友達にも相変わらずラブラブだね。なんて茶化されることも多いけど

私は先輩が最近元気ないこと、嫌でも気づいてた。

ほら、会話が途切れるとどこか切ない顔してすぐ俯くの。

でもどこからか「A！」ってAさんを呼ぶ声に先輩は振り向く。

私はいつか可哀想な女になるんじゃないかって不安になる。


「岸先輩？」

「っ、ん？どうした？」

「好きです」

「ハハ、あんちゃん大胆〜」


私のことだけを見て欲しくてつい大胆になるけど、分かってます。

先輩が好きって言葉を口にしないこと。

付き合って3週間。手を繋ぐだけで未だに好きの言葉も、キスもないまま。


「じゃあ戻るわ！」

「はい！」


先輩の太陽みたいに輝く笑顔が、初めて声をかけてくれた時から大好きなのに

その笑顔に薄い雲がかかっている理由って何なんだろう。

この不安に気づきたくないのに。やっぱり私は鈍感になれずにいる。

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