君との出会いを奇跡にしたいから

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俺には好きな子がいる。

でもその子にも好きな人がいて今年の夏も君は毎日その人のことを考えてるみたい。


こんな夜更けにも、君が考えているのは

きっと、いや 絶対その人のことだろう。


「A、寝れない？」

『あぁ、じんくんか。吃驚した‥うん、ちょっと眠れなくて』

「岸くんじゃなくてごめんね」

『ううん、そんなこと思ってないよ』


否定してるけど隣にいる俺のことなんて一瞬も見なくていつでもAの目には岸くんしか映らない。


「今日はごめん」

『何が？あ、キスのこと？もう100万円払ってくれないと許さないよ』

「たっかー(笑)」

『私のファーストキスはそのくらいの価値はあるんだからね』

「せめて1,000円にして」

『安すぎでしょ(笑)』


やっと目が合って

あぁ、やっぱ好きだな。なんてこんなことをもう一年以上続けている。

もうそろそろ変わってもいいよね？


「Aさ、俺と付き合ってみない？」

『急だね。でも、付き合わないよ』

「いいじゃん、少しくらい」

『ちゃんと好きな人と付き合いたいの』

「そんなこと言う割に全然素直になってないくせに？」

『本当だよね』


寂しそうに笑う表情に胸が痛くなっていつだって抱きしめたくなる。

俺ならそんな顔させないのに。


『ここは涼しくて気持ちいいね』

「そうだね。」


そんなことを言って急に黙り込んだと思ったらトンと肩に重みが乗っかってきてAの寝息が聞こえてきた。

まだまだ片想いが続きそうな夏休み。

今夜、君の夢に僕が出てきますように。

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