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『宮近くんの印象、言っていいの？』
「いいよ」
まだ肩を震わせて笑っている宮近くんは目が合わなくて、ずっと地面を見ながら話している。
『……仏様みたい、って思ってた』
「んふっ、なにそれ」
『宮近くんが文句言ってるところ見たことないし、何でもそつなくこなしちゃうから』
私から見た宮近くんは本当に分からない。
やっぱり私と話してる時は落ち着いていて、男の子たちだけでいる時はそんな落ち着きはどこかに消えて無邪気になっているし。
こうして落ち着いて話しているのが、本当の宮近くん？
またはそのどちらも、宮近くんの姿？
同級生には他にいない、不思議なタイプ。
「練習メニューで嫌いなものだってあるし、苦手なこともあるよ」
『そっか、そうだよね』
「うん」
宮近くんといると、よくある沈黙。
海斗や中村といる時は沈黙なんて気にしないけど、宮近くんと話している時は凄く気になる。
何か話した方がいいのか、それともこのまま黙っていた方がいいのか。
チラッと隣を見ると、目が合った。
「ん？なに？」
すぐ目をそらされて、宮近くんは地面に話しかけるように進行方向の道を見ながら話してくる。
『ううん、なんでもない』
宮近くんは普段から話す時に目を合わせるタイプではないと思っているけど、海斗や中村と話す時はもっと目が合わせている気がして。
私が海斗たちと一緒にいるから宮近くんに気を遣わせているんだって、そう思って落ち込む日もあるから。
宮近くんといると落ち着くけど、分からないことが多すぎて気持ちが不安定になる。
こんなの初めてで、どう解決したらいいかもわからない。
この気持ちは、なに？
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作者名：愛生
| 作成日時：2023年12月4日 1時
