カイロ ページ15
『あー、アイス食べたい』
ふと呟きながら薄目で時計を見る
『う、11時かあ』
痩せたい痩せたい痩せたいよ
『今日だけ、今日...だけ』
ハンガーにかけてあるあったかいボアブルゾンにくるまって
マフラーを3周巻く
モコモコブーツに足を突っ込んで部屋を出た
『はぁ寒い』
「さむっ」
え?
『は、隼くん?』
「うわ、お前こんな時間にどこ行くの」
『隼くんこそ』
「俺はコンビニ行くの」
『え、私も行くよ』
「付いてくるんだ」
『違うもん、アイス食べたいの』
「えー、俺も」
『やだ真似してるのは隼くんじゃん』
「もー寒い、ほら、早くエレベーター乗ろ」
わたしの背中優しく押しながらエレベーター乗るところまで駆け足で進む
『あぁ寒すぎて足の指ちぎれちゃいそう』
「バカ言うなよ、お前モコモコじゃんか」
『冷え性なんです』
「俺も指ちぎれそう」
『急ごう急ごう指取れる前に』
エレベーターの扉が開くと同時にふたりで一緒に飛び出る
『や、隼くん速いまって』
「のろのろすんなよ、ほらあ」
『うお、』
右手を掴まれて一緒に走り出す
寒い冬の夜に一歩前を走る隼くんの後ろ姿
背中、おっきいなあ
久しぶりに繋いだ隼くんの手はカイロみたいにあったかくて
「手冷たすぎない?」
『隼くんがカイロみたいなんだよ』
「じゃあ俺の手であっためたら丁度いいね」
って
視線はアイスコーナーだけどさ
『あ、CMでやってた新しいのだ』
「え、それ俺買おうとしたんだけど」
『えー、じゃあわたしこっちにしよ』
にしても今日は気が合いすぎる
_________
(更新久しぶりになってしまいごめんなさいっ(;_;))
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作者名:はるまき | 作成日時:2018年4月17日 19時