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＊
「はい、あーん」
「…いや、あの、自分で食べ」
「A、あーん」
「っ」
意を決して目の前のお粥を口に含む。
「よく出来ました」
甘い声で褒めながら、優しく頭を撫でてくる笑顔の安室さんにどんどんと熱が上がってくる。
よくない、ますます悪化するぞこれ。
だけど、ここまで送ってもらった挙げ句、お粥を作ってもらった手前、文句を言おうにも言えない。
助かってる、物凄く。
年上すごい、てか、大人すごい。
私も早く車の免許取りたいなぁーと、ぼんやりと安室さんを見る。
有り難いことに、火傷をしないように息を吹き掛けて冷ましてくれている。
…なんか、うん、凄い光景だ。
私の部屋に安室さんが居るのがなんだか不思議で、心が落ち着かない。
「はい、あーん」
「っ……ん」
私は餌付けされてる鳥だ。鳥なんだ。
勘違いするな私、これは善意であって決して好意ではない！！
勘違い、だめ、絶対！！！
＊
お粥を食べ終わり、薬を飲んだ頃には、羞恥心がフルカウントしていた。
それと同時に、眠気が襲ってくる。
こくり、こくり、とぐらつく頭に安室さんの密やかな笑い声が聞こえてくる。
「眠そうですね、横になりましょうか」
「は、い……」
背中にあった大きなクッションが外されて、そっと横になり、慣れた手つきで布団を肩までかけてくれる。
頭を撫でる安室さんの手。
もはや、やめてくれと言う気力もないほどに憔悴しきっている自分に驚く。
たかが風邪ごときでこんなに弱るとは思わなかった。
「安室、さん……」
「はい、なんですか？」
「……手、握ってもいいですか？」
「っ、……もちろん」
そっと繋がれる手に少しだけ力を込めれば、安室さんはそれ以上にぎゅっと、優しくも強く握ってくれた。
ゆらゆらと不安に揺れていた心がピタッと静まるのが分かった。
どんどんと目蓋が重くなっていく。
「大丈夫ですよ、僕はずっとAの傍に居ますから…貴女を一人になんてさせない……僕だけが、ずっと貴女の傍に居ますから」
その言葉を最後に、私は意識が落ちた。
＊
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そらね - なんだかんだで夢主ちゃんの心配をしてる感じの湊くん、素敵です！ (2022年4月22日 18時) (
レス) @page32 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
水梨リンゴ(プロフ) - ユキさん» お目通しいただきありがとうごいます。ヤンデレ尊いですよね！頑張ります！ (2020年4月24日 15時) (レス) id: 6e3f3ba37f (このIDを非表示/違反報告)
水梨リンゴ(プロフ) - イアデビルさん» お目通しいただきありがとうごいます。頑張ります！ (2020年4月24日 15時) (レス) id: 6e3f3ba37f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はあヤンデレ尊い……更新頑張ってください！ (2020年4月24日 11時) (レス) id: 78a4c2c60e (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ好きです更新頑張ってください！ (2020年4月24日 10時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水梨リンゴ | 作成日時：2020年4月17日 10時
