始まりの合図 [SixTONES] (ページ29)

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樹said

5月1日がやってきた

SevenTONESの結成日ということもあり毎年この日が来るのが嬉しかった

でも今年は時間よとまれ、と何度も願った

他のメンバーもそんな複雑な気持ちなんだろうなと感じた

いつも通りに楽屋でコンサートに向け準備しているが、なんだか落ち着きがない

高地もきょもも北斗もジェシーも慎太郎も考えているのはきっとAのこと

明日になったらAは脱退、という事実が重くのしかかる

俺らはそうさせる気はないけど、話し合ってすらないからどうなるかわからない

SevenTONESのままなのか、SixTONESになるのか、先が見えない

誰も口にしないけど、不安な表情が顔に出ている

『今日は外ハネがいい！』『世界一カッコイイ男にしてよ！』

Aは俺らの思いを気にせず、吞気にメイクさんと楽しそうに話しながらヘアメイクをしている

北「Aのいいところって一途にアイドルをやっていることだよね。

脱退理由を明かさないのも、俺らは何でという思いになるけど俯瞰的にみると彼らしいと感じるんだよね」

「あぁ」と思わずこぼれる

確かにAは一番にファンを想う

俺は人間だからしょうがないと考え、女性と付き合い、夜遊びもする

その結果が人気に出て、ファンの信用にもつながっているのかと思った