構ってください降谷さん【降谷零】新作予告の為の更新

□12.先輩と後輩 ページ12

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風見side









いつも、こんなふうに酔っ払ったりしないやつが、隣でかなり悪酔いしている。







こいつがこんなになる理由は、一つしかない。




今日一日、様子が変だと思っていたら、
案の定、どうやら降谷さんと何かあったらしい。





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｢…………帰りたくないなぁ…｣


風見｢悪いがそれはやめてくれ。
…俺の命に関わる。｣





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今まで、西野Aのことをいいな、と思ったことがない訳ではなかった。






年下ながらも警察としての成績は優秀だし、仕事も早い。
可愛らしい見た目とは裏腹に、少々残酷で危険な仕事も果敢にこなす強さがある。



一方で、表情豊かでちょっとアホで、いじりがいがある一面もある。


ひねくれたエリートが多い公安警察の中で、素直でよく笑う彼女の存在は少し異質だった。





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恋愛的な感情があったかどうかは定かじゃないが、一緒に働いている人ならば、彼女を嫌う人はいないだろう。






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だから、そんなに自分を卑下しないで欲しい。


降谷さんは、お前を選んだんだ。
誰でも良かった、なんてことあるはずがない。






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でも、今の彼女には、どんな言葉も響かないと思った。


俺がなにか言ったところで、Aの心のモヤモヤを晴らしてやることはできない。



降谷さんの言葉じゃないと、ダメなのだ。







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風見｢……早く仲直りしろよ。｣

｢……喧嘩はしてません…｣





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板挟みになるの、俺なんだからな。






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…なんて、本当はそんなこと、どうだって良かった。




ただ、俺の大切な二人が、
お互いに思いあっているはずの二人が、


すれ違ってしまうのは見たくないから。








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これは、先輩として、後輩への慰めだ。



そう自分に言い聞かせて、彼女の頭をポン…、と撫でてやると、Aは、気持ちよさそうに目を細めた。







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