◆02.恋愛偏差値は天地の差 ページ2
*
*
*
ドキドキとうるさい心臓の音。
目を瞑ったはいいが、そこからなにも起こらなくて、うっすらと目を開けると、
意地の悪い顔でニヤニヤしている降谷さんと目が合った。
.
……あ、やられた。
.
降谷「期待したか?」
「……っ、…しっ、してません…」
.
この人は、私をからかうのを生きがいにしているのだろうか。
いや、それならそれでもいいが(いいのか)彼ばかりが余裕の表情なのは、なんとも憎たらしい…。
.
今だって、彼の胸から聞こえる心臓の音は、平常通り。
これが経験の差か、と思い知らされる。
このビジュアルな上に、仕事も料理もピカイチだ。
今まで女の子に困ったことなどないのだろう。
.
女の子慣れしてて、年上で、ハイスペックな彼と、
10代の頃からそんな彼に憧れ続けているせいで、まともに恋愛してこなかった私とじゃ天地の差。
.
.
降谷「…ぃ、…おい、聞いてるのか?」
「へっ………?」
.
不意に頬を引っ張られて、はっと我に返ると、
不機嫌そうに私を睨む降谷さんと目が合った。
.
降谷「ほー、俺を無視するとはいい度胸だな」
「…えっ、いや違いますよ無視なんかして……ん…っ」
.
“無視なんかしてないですよ”
と言おうとした言葉は、彼によって封じられた。
.
なんの準備も出来てないまま急に合わさった唇に、思考が完全に停止する。
後頭部をロックされているので逃げることも出来なくて、ただ、口内を貪られる感覚に翻弄される。
.
息が苦しくなって、ドン、っと彼の胸を叩くと、やっと解放された。
はぁ、はぁ…、息を整えて精一杯な私とは裏腹に、
唇をペロリと舐め、下手くそ” と言って笑ってきた降谷さん。
そんな彼を見て、かぁぁ…っと頬が赤くなる私。
.
…だ、だから!
私とあなたは恋愛偏差値が全然違うんですってば…!
*
*
*
2663人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっち(プロフ) - 甘々降谷さんありがとうございました。大好きです! (2022年5月20日 20時) (レス) @page38 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - この作品は何度も読み返してしまいます…!主人公もちょっとアレですが、主に降谷さんが悪い感じの拗れてる話大好きです!完結してからちょっと時間は経っちゃってると思うのですが、番外編や続編など、読みたい〜!って思っています! (2018年9月2日 1時) (レス) id: c9e037f993 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうと(プロフ) - はじめまして、素敵なお話ありがとうございます!正直言うと私は原作沿いの方が好きなんですけど、このお話は本当に大好きって思えるくらいでした。夢主もキャラが定まってて良かったので、甘鞠さんを追いかけたいと思い先ほどお気に入り作者登録しました(笑) (2018年6月30日 6時) (レス) id: 8103d530f2 (このIDを非表示/違反報告)
甘鞠(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです(´˘`*) (2018年6月17日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
甘鞠(プロフ) - マイさん» 最後まで読んでくださってありがとうございます!番外編など、なにか思いついたら書こうかなと思っているのでその時はよろしくお願いします! (2018年6月17日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:甘鞠 | 作成日時:2018年5月15日 23時