◆15.火に油を注ぐ ページ15
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「…あれ………」
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目が覚めると、そこは、よく知るリビングだった。
身体には薄手のタオルケットがかけられていて、起き上がると、頭がガンガンと痛んだ。
時計を見ると、深夜の1時をまわったところ。
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…あれ、私、どうしたんだっけ
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まともに働かない頭で精一杯記憶を辿るけど、風見さんと飲んでいた所で記憶は止まっていて、
自分がどうやってここに帰ってきたのか、まるで覚えていなかった。
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降谷「…起きたか」
「…っ…!」
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背後から声がして、ビクッと大袈裟に肩が揺れた。
振り返ると、そこにいたのは首にかけたタオルで髪をパサパサと拭く降谷さんの姿だった。
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「あ……あの…、もしかして……っ、私…」
降谷「…迎えに行ったことも覚えてないわけか。
……随分と幸せそうにあいつの肩で寝てたもんな。」
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髪の毛の隙間から見える降谷さんの目は、かなり怒りに染まっていて、声も冷たかった。
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「ぁ…の……ごめん…なさい…」
降谷「…なにが」
「迎えに来てくれた…んですよね…?
…迷惑をかけしてしまって………すみません…」
降谷「…は……?」
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彼の怒りを沈めようと謝ったつもりが、
どうやら火に油を注いでしまったらしい。
降谷さんの声のトーンが、更に低くなった。
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降谷「…“迷惑”ってなんだよ…、
じゃあなんだ?お前はあのまま俺が来なかったら、どうするつもりだったんだ?
風見の家に連れてかれて、朝まで一緒にいるつもりだったのか…?」
「ち…っ…、違いますよ…!そんなこと思うわけないじゃないですか…!」
降谷「…どうだか。
第一、そんなにお酒強くないくせに、男の前で酔って寝るなんて無防備にも程がある…!
だからお前は危機管理が甘いんだ!」
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やっち(プロフ) - 甘々降谷さんありがとうございました。大好きです! (2022年5月20日 20時) (レス) @page38 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - この作品は何度も読み返してしまいます…!主人公もちょっとアレですが、主に降谷さんが悪い感じの拗れてる話大好きです!完結してからちょっと時間は経っちゃってると思うのですが、番外編や続編など、読みたい〜!って思っています! (2018年9月2日 1時) (レス) id: c9e037f993 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうと(プロフ) - はじめまして、素敵なお話ありがとうございます!正直言うと私は原作沿いの方が好きなんですけど、このお話は本当に大好きって思えるくらいでした。夢主もキャラが定まってて良かったので、甘鞠さんを追いかけたいと思い先ほどお気に入り作者登録しました(笑) (2018年6月30日 6時) (レス) id: 8103d530f2 (このIDを非表示/違反報告)
甘鞠(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです(´˘`*) (2018年6月17日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
甘鞠(プロフ) - マイさん» 最後まで読んでくださってありがとうございます!番外編など、なにか思いついたら書こうかなと思っているのでその時はよろしくお願いします! (2018年6月17日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘鞠 | 作成日時:2018年5月15日 23時