【鬼滅の刃】虚空ノ月光

09.心の音 ページ11

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音でね、すぐ分かったよ。



私の弟だって。





善逸が赤ん坊の頃に聞いた音と同じ音だったから。




見たこと無かったけど、じっちゃんの手紙で髪の色が変わっちゃったのも知ってるよ。




継承者になったんだね。



ごめんね、巻き込んで。





姉ちゃんが雷の呼吸を継承出来なかったから、巻き込んじゃったね。



でも貴方がじっちゃんに育てられて良かった。





雷の呼吸を継承出来て凄いね。




姉ちゃんは出来なかったよ。







「...」



私の腕の中で善逸は気を失っていた。


しのぶさんに貰っていた鎮痛薬を呑ませた為に副作用で眠ったのだろう。




けれどこの薬では鬼から受けた血鬼術の進行は止まらない。


他のみんなも対応しなければ。



早くみんなを...







「Aさん！」




突然、後方から声が聞こえた。


振り返った目の先には雀を連れこちらに向かってくるしのぶさんの姿。



雀...？？



いや、それよりも






「しのぶさん!!この子を...みんなの蜘蛛化の進行を止めて！蜘蛛になっちゃう！」


直ぐに状況を理解したのか、しのぶさんは私に何かの薬を投げ渡した。



「それを飲ませてください
私は他の方を治療します」



渡されたのは液体の薬だった。


無理矢理飲ますのは難しいだろう。

でもこの子も確か耳がいいはず。




「...




ねぇ 薬呑める？」



栓を開けて、中の液体を善逸の口に注ぎ込む。


ゆっくりとゆっくりと流し込むと、コクコクと呑んでいた。



ああ、良かった。




ちゃんと呑んでくれてる。





腕の中で眠る弟を、もう一度ぎゅっと抱き締めた。

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