【鬼滅の刃】虚空ノ月光

23.獪岳の音 ページ26

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初めて会った時、何故女が弟子にいるのかと疑問でしかなかった。


先生は凄い人だから。



きっと凄い奴なんだろうと思っていた。




実際にコイツは凄かった。


先生に言われたことは出来てるし剣技も強い。



俺よりもずっと。










けどアイツは、一度だって先生や俺の前で雷の呼吸を遣わなかった。


隠れて修行してるのは知ってた。




だから見に行った。










けどそれを見てしまったことによって、打ちひしがれる事になろうとは思いもよらなかった。






「優れた才覚があるくせに何故逃げた」


「違うよ 獪岳...私は優れてなんかない」





「黙れ!!」






何をぬかしてやがる。




お前は...






お前がそのまま居れば雷の呼吸はお前に継承されていた。


俺達はその穴埋めにしかならない。





「てめぇは!!」


「私はｯ!!









一回きりしか型が遣えないの!!」





...は？今なんつった？



一回きりしか遣えない？



あんな威力の技を出しておいて？



全ての型を遣えるくせに？





柱にまでなってるくせに？






「壱ノ型を遣おうがどの型を遣おうが


私は消耗品



一度遣うともう闘えないの」





何を言ってるのかと、聞きたくなった。


目の前にいるこいつが、俺が思い描いていたあの頃の人間とはかけ離れているような気がして吐き気がした。




「...ハッ なんだそれ



一回きりしか型が遣えねぇ姉と一つだけしか型が遣えねぇ弟








テメェらどっちも惨めなんだよ!!」






Aを背にしてその場を後にする。


こんな言い合いをするつもりなんてなかった。







才覚のある姉弟が、


















きっと妬ましかっただけなんだ。

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