【鬼滅の刃】虚空ノ月光＿弐＿

52.腹が立つ音 ページ7

「あんた 本当に鬼殺隊か？」


私の体を舐めまわすようにじとりと見つめる男。

なんだ、この男は。


いや、それよりも



「きっ...鬼殺隊を知っているんですか」



「あァ 知っているさ


あんたみたいなへっぴり腰がいるなんてのァ初耳だがな

俺に驚いてどうする




鬼が来たらお前喰われているぞ」




顔は良いが性格に難アリだぞこの男。

初対面の人間になんて口の聞き方だ！



「お...鬼が来たら分かるんですからね!!

ちゃんと分かるんですからね！


馬鹿にしないで頂きたい!!」


「...何言ってんだ お前さん阿呆か」


「阿呆にもするなァ!!!」




なんｯなんだ!!!

なんなんだこの男は!!!!


苛立たせる才能をお持ちか!!?


もういいこんなの無視して屋敷の調査だ!!





「おい 人の家に土足で踏み入るな」


「.....はい？」



「そこ 俺の屋敷だ」




立派な屋敷を指さしてそう言った青年の顔と屋敷を交互に見る。



俺の...、屋敷？


あれ？この屋敷無人ではなかったか？

不法侵入か？


いや、口が悪いからといって嘘と決めつけてはいけない。





「わ...私は鬼殺隊 空柱 我妻Aです

毎夜この屋敷で不気味な音が聞こえると情報が入り調査に駆り出されました」


「柱ァ？アンタがか？どんな戯言(たわごと)だ」


「ｯの...このｯｯ...ーーーｯ!!」




一般人に暴言を吐けるわけもなく。


後に、屋敷調査のついでに青年の名前と年齢を知った。

ただこの人は、





音もせずに現れたことを私はこの時忘れていた。

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