【鬼滅の刃】虚空ノ月光＿弐＿

48.不思議な音 ページ3

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みんな正直ボロボロだった。


炭治郎は落ち込んでいたし、伊之助はギャン泣き。


そりゃそうだよ。



人間なんだから。




蝶屋敷に運ばれたみんなは治療を受けた。




俺の姉は、脳震盪で気を失っていた。


寝台に寝かされた俺の姉。




治療を終えた俺はその寝台の隣に立ち、姉の顔を覗き込んだ。







「.....」





この人が、俺の姉さんなのか。


不思議だ。




姉の顔なんて知らないけれど、



この人が姉だと分かる。





強いんだろうな。



だから柱になったんだろうな。





凄いな。









善逸、って、





俺の名前、知ってたんだ。









「...ごめん...なさい...」






姉から、声が聞こえた。





「...ぇ...？」




今、ごめんなさいって。



何に対して、





謝ってるんだ？









「...ｯ...」





その場から逃げ出した。





姉が怖かった。




会うのが怖かった。







会ってお前なんて知らないと言われるのが。




弟なんて居ないと言われるのが。








だから、自分から先に言った。





誰だって。













あの時の姉の心の音が忘れられない。










締め付けられる胸を、我慢してその部屋から遠ざかった。

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