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そこでレンが相手にしなければ事無きを得たのだろうが、ものの見事に彼の心理作戦に引っかかった挙句に、インテグラ限定のサービス精神を熱く燃え上がらせる結果となり、“妖精の力でもっと美味しくなったらもっと喜んでもらえるかも知れない”とそんな期待まで抱く始末。
しかしながら、結果は悲惨なもの。主のためにと思ってやったことが、結局は裏目に出てしまった。
……一体何をやっているのだろう、自分は。
呆れられて、迷惑をかけて、醜態をさらして。これでは本末転倒だ。
我ながら情けないったらない。その上、恩師であるウォルターに疑いまで抱いて。
何と言うかもう切ないやら恥ずかしいやら遣る瀬ないやらで項垂れる。己の愚かさが身に染みて、胸中は申し訳なさでいっぱいだった。
そんな、どんよりとした負のオーラを漂わせて沈みまくっているレンを、頬杖をついて“やれやれ”といった様子で見やるインテグラ。
先ほどからレンの言動に呆れの溜息が尽きないインテグラだが、何も彼女の気持ちが分からないほど鬼でも悪魔でも、ましてや人でなしでもない。
明かされた内容は奇行染みたものであり、呆れる以外に反応の仕様がない話ではあるが、主である自分を思うが故の行動だとこれでも一応は理解しているが為に、インテグラとしてもあまり責めるに責められない訳で。それにより、持ち前のネガティブシンキングをこれ以上拗らせてもらっても面倒だし。
ずーんと落ち込んでいるレンを見兼ねたインテグラは、頬杖をついた状態で溜息交じりに切り出した。
「お前な……私の給仕係に任命されて、一体何年になると思っている？
そろそろ自信を持ってもいい頃じゃないのか？」
「そ、それは……そう、なんですけど……」
そう言いながら視線を泳がせ、言葉を濁すレン。
―――堂々と胸を張って、自分の淹れた紅茶を主に提供したい。
レンとしても、それは昔から現在に至るまでずっと強く思っていることだ。けれども、生まれながらに持ってしまった気弱さと臆病さというマイナスの気質から、なかなかそうなれないのが現状で。
「マスターに委ねられるのは、そりゃあもう物凄く嬉しいのですが……
その……喜んで頂けるか、毎回不安で……」
消極的な性格による、自信が持てない人間特有のネガティブシンキングを発動しては、いつだってこうやって緊張して不安に駆られてしまう。インテグラ本人の感想を聞くまでは、生きた心地がしないと言うのが正直なところ。
大袈裟に聞こえるかも知れないが、レンにとっては極めて重大なことなのだ。
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壱(プロフ) - 死音心音2.0さん» お褒めに預かり誠に光栄。まさに感謝の極み（キリッ）いやホント冗談抜きにありがとうございます！アイス共感のみならず、こちらの気遣いまで……！マジもんの天使かよ……！？ＨＥＬＬＳＩＮＧは今なお色褪せない名作だと思っていますので、今後も宜しくお願いします！ (2022年2月11日 20時) (
レス) id: 8ec81766f6 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - HELLSING夢、しかも百合だと？オマケに文章まで最高ときたか……パーフェクトだ 壱。そしてお風呂で食べるアイス美味しいよねｯ！続き楽しみにしてます、寒さにはお気をつけて！ (2022年2月9日 2時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱 | 作成日時：2021年3月22日 22時
