235吠え ページ8
顔に張り付いている手を僅かにずらした死柄木弔がスプーンにかぶりつく
想像以上の食いつきぶりに僅かに身を引いてしまうが、背中は壁である
逃げ場はない
しかも空いた手でスプーンを持つ私の手首を掴んでいるため、手首を引く事もできない
スプーンを口から引き抜きもぐもぐと口を動かした後
細い首の浮き上がった喉仏が上下する
そして奴は一言
死柄木「味がしない……」
と溜息交じりに吐き出した
その時見えたボロボロの口元がとても痛々しかった
死柄木「まともなもん作れって言ったのに黒霧の奴……」
どうやら死柄木弔はまともな食事を食べてこなかったらしい
これを食べて味がしないなんて……
どんな食生活をしてきたんだ？
苛々としたような雰囲気を漂わせた死柄木弔は再び顔に手を付けると私の手からスプーンと器を奪い取って立ち上がると背を向けた
一歩踏み出した死柄木弔の服を掴むと
首を傾げながら奴が振り向く
死柄木「なあに?Aちゃん」
あ「……美味しかった、から……ありがとう、と黒霧に伝えてほしい」
死柄木「……ふーん…………まァ、いいよ。伝えとくよ……気が向いたらな」
一度部屋の隅を睨みつける様に視線を送った死柄木弔が
感情の読み取れない瞳で私を見下ろした後
私の頬をかさついた手で撫でてから部屋を出ていった
あ「はぁ……」
一気に身体から力が抜けてベッドに横たわる
毛布を手繰り寄せぼーっと壁を見つめていると襲い来る睡魔に瞼が重くなる
暗くなったり明るくなったりする視界の中に再び現れた死柄木弔
奴は再びベッドに腰掛けると
私の髪を弄びながら今日語った″真実″をまた語りだす
微睡む私の脳裏に刷り込むようにゆっくりと語られるそれら
耳を塞ぐこともことも出来なくて
逃げる様に私は夢の世界に意識を投じた
『お父さんッ!』
『…………?』
『私もお父さんみたいにかっこいい狼になりたいッ!』
『…………』
『私の方見てもどうしようもないわよ、ロボ。私にはどうしようもできないもの』
『…………』
『あ、でもね。母様みたいに奇麗な人にもなりたいなあ』
『あら、嬉しいことを言ってくれるわね。私の可愛いAは』
『…………』
『あまりじっと見ないでロボ……恥ずかしいわ……』
『母様お顔赤いよ?』
『母様ぁ、お父さんの尻尾が揺れてたの。何かあったの?』
『えッ!?い、いえ…私には分からないわぁー……』
『母様トマトみたいだよ?』
『母様…………どうして身体が真赤なの………?』
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ポンズイ - 強制じゃ無いんで、気にしなくても良いですよ！ (2018年8月10日 17時) (
レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ - 僕も尾白君オチが良いと思います！！出来ればで良いですが、出来たら尾白君オチにして貰えませんか？？ (2018年8月10日 17時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - この小説とてもとても面白いと思います！！良かったらなのですが、オチは尾白君にして貰えませんか？もし良かったらでいいので！！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ - この作品、滅茶苦茶感動しました！！これからも、頑張って下さい！！応援してます！ (2018年7月8日 1時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 更新頑張って下さい^▽^応援してます！ (2018年6月21日 13時) (レス) id: 755e555840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマ☆ | 作成日時：2018年6月4日 15時
