243吠え ページ16
黒霧「二人ともいい加減にしなさい。特に荼毘」
靄が晴れた時には私は既にカウンターの前の席に座っていた
目の前には片手に湯気の立つ器を持ち、片手に先程荼毘と私で奪い合っていた毛布を持った黒霧が立っている
黒霧は持っている器をカウンターのテーブルに置き
毛布を私の肩にかけると目を細め器を示しながら「どうぞ」と囁いた
器を見ると卵粥の中に私が望んだ通りの小さく切られた鶏肉が入っていた
相変わらず美味そうだ……
「いただきます」と小さく呟きスプーンを手に持ち米を掬い口に運ぶ
味はあまりしない
仕方ないな
私達は味覚が優れているわけではないのだから
ただ香りは素晴らしいな
美味い
トガ「Aちゃんの尻尾が揺れててカァイイです!」
トゥ「毛が跳んで厄介だぜ!たまんねぇな!!」
荼毘「……随分警戒心の薄い犬っころだな。自分の状況わかって」
黒霧「荼毘……余計な事は言わなくて結構。これでいいのです…これで」
荼毘「はっ、イイ性格してるなあ。あんたも死柄木も」
よく分からない話が横で展開されているが
私の知ったことではない
早く腹を満たしたい
Mr.「やあ、お嬢さん。気分はどうって……体調くずしてるのか。それは災難だったな」
あ「…………」
Mr.「俺も嬉しいよ。君みたいな華が増えてさ。俺の事は
狼王「…………」
隣の席に勝手に座りべらべらと喋る喧しい男
フルフェイスのマスクが胡散臭い
煩わしくどうしようかと思っていたところ
私とMr.の間に太い獣の腕が割り込んできた
視線を上げるとやはり
Mr.「何だ王サマかよ。あんたの娘と仲良くするのがそんなに気に食わない訳?」
狼王「…………」
何も語らない男と目が合った気がした
狼王は何も言わずに立ち去ろうとしたが
私がモッズコートの裾を掴んだため
足を止めざるを得ない狼王が勢いよくこちらを振り返った
狼王の表情は驚きに染められ目が見開かれている
そんな表情もできたのか……
あ「何故、私から逃げる?」
狼王「…………」
あ「母様を殺したのが貴様でないのなら、逃げる必要などないだろう？何故逃げるんだ」
私のその問いかけに狼王は鋭く黒霧を睨みつけた
黒霧「……彼女にも″真実″を知る権利はあるでしょう。我々はそれを尊重したまでのこと」
狼王「……っ」
鼻を鳴らしながら奥の部屋へと消えていく狼王
手から引き抜かれたコート
何故逃げる、父よ
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ポンズイ - 強制じゃ無いんで、気にしなくても良いですよ！ (2018年8月10日 17時) (
レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ - 僕も尾白君オチが良いと思います！！出来ればで良いですが、出来たら尾白君オチにして貰えませんか？？ (2018年8月10日 17時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - この小説とてもとても面白いと思います！！良かったらなのですが、オチは尾白君にして貰えませんか？もし良かったらでいいので！！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ - この作品、滅茶苦茶感動しました！！これからも、頑張って下さい！！応援してます！ (2018年7月8日 1時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 更新頑張って下さい^▽^応援してます！ (2018年6月21日 13時) (レス) id: 755e555840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマ☆ | 作成日時：2018年6月4日 15時
