238吠え ページ11
ぎぃっと扉が開く音がして、浅い所に沈んでいた意識がはっと浮上する
恐らく、私は満足な睡眠もとらずに意識の浮上を繰り返していたのだろう
ずきずきと痛み霞がかかったような脳裏
……不快だ
死柄木「……Aちゃん、一晩中その体勢だったのかよ?」
床の軋む音を立てながら近づいてきた死柄木弔の訝し気な声に膝から顔を僅かに上げ、近づいてくる男をぼやける視界にとらえる
しかし、再び膝に顔を埋め更に身体を縮こまらせた
放っておいてくれ……
今は一人になりたい
誰にも会いたくない
なのにーーー……
死柄木「無視はないだろ？良くないなあ…良くない……」
あ「…………」
ギシリと悲鳴を上げて沈み込むベッドに
髪の毛を掴まれ顔を死柄木弔の方に向けられる
頭皮が引っ張られ痛みを感じるが反応は自分でも驚く程出なかった
抗う気力もない
瞼が重く手の向こうの赤い瞳で私を見下ろす死柄木弔を見返す事すら億劫だ
ふと死柄木弔の瞳が僅かに見開かれ髪を掴んでいた手が離された
身体の力を抜き壁に寄りかかっていると
死柄木弔の枯れ枝の様な細指が私の顔に伸ばされる
気まぐれに顔を″崩壊″されるのか、と
他人事の様に思い瞼を閉じた
目の下にかさついた指が触れる
指の腹の広さから恐らく親指だろう
来るであろう″崩壊″の痛みに僅かに身構えるけれど、一向に痛みはこない
ただかさついた指が目の下を緩くなぞるだけ
伸びきった爪が皮膚を掠めてほんの少し痛い
不思議に思い重い瞼を開けるとーーー……
あ「ーーーっ……!?」
何時も張り付いている白い手を外した素顔の死柄木弔がそこに居た
手が外れた分
顔はより近づけられ、死柄木弔の顔にある様々な傷が目に入る
痛々しい傷
しかしそれらがあってもなお、死柄木弔の顔は美しいと思うには十分なほど整っていた
私が驚いているのも気に留めず、死柄木弔の指が目の下をなぞる
そしてヤツは徐に口を開きーーー……
死柄木「腫れてる……それに、赤い…」
あ「……っ」
何か言葉を発しようとした喉は引き攣り掠れ音を形成しはしなかった
引き攣った声と空気が引き裂かれるような音を出すのみ
死柄木「寝てないのか?Aちゃん…」
あ「……っ…」
図星で顔をそらす
すると死柄木弔は指を離し私から距離をとってポケットから手を取り出して、顔に張り付けた
そして私の手首を4指で掴み無理矢理ベッドから降ろし
そのまま部屋を出て薄暗い進んでいく
付いた先には昨夜の部屋
黒霧「おはようございます、A」
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ポンズイ - 強制じゃ無いんで、気にしなくても良いですよ！ (2018年8月10日 17時) (
レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ - 僕も尾白君オチが良いと思います！！出来ればで良いですが、出来たら尾白君オチにして貰えませんか？？ (2018年8月10日 17時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - この小説とてもとても面白いと思います！！良かったらなのですが、オチは尾白君にして貰えませんか？もし良かったらでいいので！！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ - この作品、滅茶苦茶感動しました！！これからも、頑張って下さい！！応援してます！ (2018年7月8日 1時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 更新頑張って下さい^▽^応援してます！ (2018年6月21日 13時) (レス) id: 755e555840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマ☆ | 作成日時：2018年6月4日 15時
