290吠え ページ21
友人達の声に背中を押され、意を決して砂藤が作ったシフォンケーキを食す
口に入れたケーキを咀嚼した途端に口腔に広がる甘い香りが鼻腔を刺激した
果物の甘酸っぱさとは異なる強烈な甘さに、私はシフォンケーキをぺろりと平らげた
あ「……うま」
咀嚼の合間に漏れてしまった呟きがすべての感想だ
私は行儀が良くないことだとわかっていながら、シフォンケーキを持っていた己の指をぺろりと舐めて残味を味わってしまうほどに砂藤の作ったシフォンケーキを美味だと感じた
芦戸「めっちゃ尻尾振るじゃん」
あ「美味なのだから仕方ない」
すんっとした表情を浮かべて私の左右に揺れる尻尾を見つめる三奈に指をハンカチで拭いながら返す
次は女子の部屋を見て回るようで、人数の都合上階段を使って三階に下りながら各々今までの部屋の感想を口々に話し合っている
葉隠「なんだか面白いことになってきたね、尾白くん、Aちゃん！」
尾白「俺も峰田の意見を後押ししちゃったけど……逆に二人は大丈夫なの?」
あ「何か問題があるのか?部屋を見るだけだろう」
尾白「なんでってほら……俺達男子の部屋を見て回るのと、葉隠さんや夜吠たち女子の部屋を見て回るのはさすがに……ちょっと」
あ「なんだ猿夫、照れているのか?」
葉隠「尾白君が照れると、私もちょっとだけ恥ずかしくなってきたかも」
両サイドから尾白の顔を覗き込む
私は尾白をからかうように
透はほんのちょっと恥ずかしそうに
そんな私たちにはさまれた尾白は一瞬だけ頬を紅潮させて眉根を寄せ、すぐに大きな溜息を零した
尾白「いや。君ら二人が大丈夫なら、もういいよ」
あ「男子だ女子だに関わらず、お互いに了承していれば別にかまわないだろう。少なくとも私は何の問題もないぞ。部屋に入ってさえくれなければな」
葉隠「それって私や尾白君でも?」
あ「そうだな。申し訳ないが、二人でも遠慮してもらいたい」
尾白「大丈夫だよ。気にしないでも」
葉隠「私も、Aちゃんのお部屋が見られれば、それで満足だよ！私の部屋とか尾白君の部屋とかでもお喋りしたり遊んだりできるしね！」
尾白「そこまで発展しちゃうんだ……」
たん、たんと階段を下りる音が私たちの人数分、響き合って混ざり合う
五階から三階に下りるのは、思ったより時間がかかるもので、様々な話が弾んでしまう
あぁ……楽しいな……
透や猿夫と一緒に居るのは
透にしがみつかれた手の温もりも
時折触合う手の甲の温度も
失い難くて仕方がない
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シバ - 落ちは鉄哲がいいです!! 見たことがないので…… (2020年5月14日 23時) (
レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
あじ - オチ、オチ、、オチ、、、誰がいいかな（（ アルマさんの書く小説すごい好きです！テニプリの年上恐怖症もヒロアカもまだ途中ですが私の好みにドンピシャです！更新頑張ってください!! (2020年3月5日 20時) (レス) id: 67552c5473 (このIDを非表示/違反報告)
笹 - オチは常闇くんがいいです。格好良すぎる！ (2020年3月5日 7時) (レス) id: 5053f98fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ほや毛(プロフ) - 他の作品では余り日に当てられない尾白くん障子くん常闇くん葉隠ちゃんがきちんと存分に出てきて学生生活を送っている事に感激感動です (2020年1月5日 1時) (レス) id: 176c8c1574 (このIDを非表示/違反報告)
ピン - 好きです、、、 (2019年3月22日 19時) (レス) id: 9bcfcfc66f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマ☆ | 作成日時：2018年8月29日 5時
