塩中副会長と役員ちゃん【モブサイコ100夢】 (ページ10)

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第9話「くじ引き」ページ10

「…以上が体育祭の内容と説明だよ。何か質問は？」

私はこの日生徒会役員として、近々行われる体育祭の運営についての説明を受けていた。
生徒会長の神室真司くんが当日の流れや全体の動きを解説してくれていて、私はそれらをメモにとる。

「あ、そうだ。当日は役員同士でペアになって行動してもらうから、今くじ引きで相手を決めておこうか。」

会長はそう言うと、割り箸が何本か刺さったお茶っ葉の空き缶を持ってきた。

「この割り箸にアルファベットが書いてあるから、それが同じだった人同士でペアになってね。じゃあ、右から順番に引いていこう。」

会長は1番右の席からくじを回し、役員たちがみな順番に引いていった。
私も割り箸を1本引いて、アルファベットを確認する。

そこには、マジックで「A」と書かれていた。

「Aか…えっと、Aの人、いませんか……」

私は他の役員と同じように、同じアルファベットの人を探して声を上げた。

「…Aは私だ。」

背後から、私の耳に残って離れない声が聞こえた。
そこには、副会長の徳川光が立っていた。

「！！？ふ、副会長…！？」

私はびっくりしたやら嬉しいやらで素っ頓狂な声を上げてしまう。

「何をそんなに驚いてる…。ああ、そうだ。お前と同じAは私だ。」

彼は私の態度に不思議そうにしながら答えた。

「！あ、ご、ごめん…えっと…よろしくね…」

私はペコッと軽く頭を下げた。

「ああ。」

彼はそう答えると、ペア同士の名前を会長の席の紙まで記入しに行った。

(副会長と一緒かぁ…//)

私は、心の中で密かにガッツポーズをした。

体育祭にて、これ以上のことが起きるとは知る由もなく。