第24話「最高の贈り物」 ページ25
やがて花火の打ち上げが終わり、私たちはまだ感動が冷めなかった。
「はー、すごかったねー！」
「うん、とっても綺麗だったね」
撮った花火の写真などを見て、私たちはまた盛り上がる。
「……！そうだ、紫乃！」
真理亜はトメたちに目配せしながら私を呼ぶ。
「？なぁに？」
「せーの…はいこれ！誕生日おめでとう！！」
真理亜の掛け声で、トメや律君たちが一斉に何かを差し出した。
「え……！！？」
「へへっ、誕生日プレゼントだよ！私からはこれ！」
そう言って、真理亜は私に可愛い包みを渡した。
「髪飾りと手鏡だよ！よかったら使ってみてね！」
「！わあ、可愛い…！ありがとう！！」
早速開けて見てみると、青い星のパーツが付いた髪飾りと、水色のラインストーンで飾られたおしゃれな手鏡が入っていた。どちらも私の好みドンピシャだ。
「先輩、これは僕たちからです。」
「私たち3人で取ったのよ。」
そう言うと、モブ君達は大きな袋を私に手渡した。その中にはお菓子がぎっしり詰まっている。
「！すごい…！これって、射的の屋台の景品だったやつだよね！？」
「そうよ！凄く苦労したんだから！」
トメたちは力を合わせ、射的の屋台の中でも特に取るのが難しいこのお菓子の詰め合わせを獲得してくれたのだ。
「ありがとうみんな… ！すごく嬉しいよ……！//」
みんなからお祝いしてもらえて、私は涙が出るくらい嬉しかった。副会長も、「よかったな」という顔でこちらを見ている。
「喜んでもらえてよかった〜♪いい誕生日になったかな？」
「うん、もちろん……！//」
真理亜の問いかけに、私は笑顔で答える。こんなに最高の誕生日は生まれて初めてだ。
「よかった！…！あ、もうこんな時間だ…よし、じゃあみんなで帰ろうか！」
すっかり日が暮れ、街に明かりが灯っている。そろそろ帰らないと、補導なんてされたら大変だ。
「そうだね……今日は楽しかったなぁ//」
今日のこの短い時間で、こんなにも幸せな気分になれるとは。それに、この七夕兼私の誕生日という特別な日に、こんなに素敵な贈り物までもらえるなんて。
私は人生で1番幸せな誕生日を迎えられたことの喜びと、美しい花火(と副会長の笑った顔)の余韻に浸りながら家路に着いたのだった。
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作者名：みかんの缶詰め | 作成日時：2023年5月18日 19時
