第18話「真理亜という女」 ページ19
「わあああ！？し、紫乃、落ち着いて！！💦」
私の能力を知ってる真理亜は、慌てて私を止めた。
「わっ！ご、ごめん、つい……！💦」
私も慌てて深呼吸し、砂嵐はすぐに収まった。
「びっくりしたぁ…ごめんね、いきなり聞いちゃって💦」
「い、いや、大丈夫だよ！勝手に発動させたの私だし…それに…真理亜の言ったこと、本当、だから…//」
私は顔を真っ赤にし、真理亜に副会長への恋心を見抜かれたことを認めた。
「！やっぱり〜！あのね、実は昨日の朝、見ちゃったんだ…」
「…え……何を？」
嫌な予感がする。真理亜が私の副会長への好意を見抜けたような行動は、「あれ」しか思い当たらない。
「…紫乃が、徳川のタオルをむぎゅーってして、幸せそうに笑ってるとこ…」
…終わった。
あれを見られていたのだ。よりにもよって親友の真理亜に。
「…ぴゃーー！嘘だろぉお！？//」
「わあ！？だ、大丈夫だよ紫乃！誰にも言ってないし、バカにしたりしないから！！💦」
思わず口調が変わるくらい取り乱した私を、真理亜は再び大慌てで止めた。
「け、け、けど、あ、あんな恥ずかしいとこ…//」
「だから大丈夫だってば！好きな人のタオルだもん。やりたい気持ちよーく分かるよ！」
この状況では真理亜の優しさがとても痛いし辛い。
「ううう…そっか…見てたのか……って、ちょっと待って！何で真理亜はあれが副会長のだって知ってたの！？//」
「あー、あのね、前に体育の授業で徳川があれ使ってるとこ見たんだ。その時と同じメーカーの刺繍も入ってたしね。」
流石は観察眼の鋭い真理亜だ。そこまで見ていたとは。
「そうなんだ…うう…やっぱり恥ずかしい…//」
「だから大丈夫だってば！2人だけの秘密だよ！それに、恋なんて最高じゃん！あたし全力で応援するよ！だから、さっき徳川も夏祭り誘ったんだ！紫乃との距離が縮まったらいいなーって思って！」
真理亜は太陽のような笑顔で言う。まさか私の為だったなんて。その優しさと行動力に脱帽する。
「っ…ありがとう、真理亜…嬉しいな……//」
「いいんだよー！だってあたしたち親友でしょ？」
真理亜はそう言って私の肩をぽんぽんと叩いた。
「とにかく、7日の七夕祭り楽しみにね！きっといい事あるよ！」
「う、うん…そうだね//」
真理亜につられて私も笑みを返す。
七夕祭りを楽しみに、私たちは教室へと戻って行った。
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作者名：みかんの缶詰め | 作成日時：2023年5月18日 19時
