塩中副会長と役員ちゃん【モブサイコ100夢】 (ページ12)

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第11話「借り物競争」ページ12

その後体育祭は無事にスタートし、最高潮の盛り上がりを見せていたのだが、私の気分はかなり沈んでいた。

「うう……嫌だ……」

私が何をそんなに嘆いているのかというと、競技決めのジャンケンに負けて、1番出たくなかった借り物競争になってしまったのだ。

借り物を探して色んな人に声をかけるなんて、私にとっては地獄も同然である。緊張のあまり胃がキリキリと痛んだ。

そんな私の気など知る由もなく、ついに借り物競争がスタートしてしまった。

「…私は、この次か……」

前にスタートした選手たちは、借り物の書かれた紙が入った封筒の中身を見るなり、大声を上げて借り物を探していた。赤いバトンや白組の旗、あるいは数学の先生など、借り物は様々だ。

そして、この借り物競争にはあるルールがある。借り物が人だった場合、必ず手を繋いでゴールまで向かわなければいけないらしい。

あまり知らない人だったらものすごく気まずいんだろうなぁ…、と思いながら眺めていると、先生が次の選手たちをスタートラインに誘導した。つまり、私のターンだ。

「位置について…よーい、ドン！」

先生の掛け声と共にスタートピストルの音が響き、私は他の選手と並んで走り出した。

あまりの緊張と謎のプレッシャーで吐きそうになりながらも、私は封筒の場所まで走り、1番近くに置いてあったものを取った。

素早く封筒から紙を取り出し、私は中身を確認する…と同時に絶句してしまった。

そこには、マジックででかでかと『生徒会副会長』と書かれていた。