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「すまんなぁ、先生。ちょっと付き合ってや」
「もしかして鬱くんも？」
「せや、ちょっと協力してもらった。あいつにはめっちゃ貸しがあるからな」
鬱も共犯者だったのだと知り大きくため息をついたが、コネシマは私の腕を離し一緒に花火を見上げるだけ。
それ以上に何もしないのを見て、私も素直に花火を鑑賞するために窓を開けた。
「…この花火、願いが叶うなんて言われてんねんで」
不意に聞こえたコネシマの言葉に、返事に惑う。
ちらりと横目で見れば花火を見るその姿が様になっているのが少し悔しくて、視線を花火に戻した。
「話が壮大だし、抽象的だね」
「カップルで見れば長続きするし、好きなやつと見ればそれが叶うなんて言うやつもおるで。だから皆、浮足立っとるんや」
「なるほどね…で、コネシマくんは女子たちから逃げてきたの？」
「ま、そういうことや」
如何にも思春期らしい迷信だと納得し、コネシマがここにいた理由も納得した。
今日だけでもたくさんの女子に声をかけられていたのだろう。
辟易したようなコネシマに、老婆心ながら思わず聞いてしまった。
「一人くらい、いい子はいないの？」
「居ったらこんなとこで先生捕まえんやろ」
「ああ、捕まえてる自覚はあったのね。まぁ今日は助けてもらったし、花火が綺麗だから許してあげる。私は君の担任だからね」
生徒一人の愚痴くらい聞いてあげると言えば、コネシマは空色の双眸を細めて私を見た。
不機嫌でもなく、上機嫌でもなさそうに見える表情からは何も読み取れなかった。
暫しの沈黙の後、コネシマは微かに低い声で私に声をかけた。
「…花火よりも、先生が綺麗って言ったら信じる？」
突拍子もない発言に思わず目を瞬かせる。
本心かどうかも分からない言葉だが、少なくとも多少なりとも慕われていなければ出ない言葉だろうと察して頬を緩めた。
「ふふ、ありがとう」
「……そういうのが聞きたかったわけやないんやけど」
今度は不満そうに眉を顰めるコネシマに私は今度こそ小さく噴き出して笑った。
この小型犬はどうにも少し捻くれているらしいが、自分の感情に素直が故に本当に慕われているのが伝わってきて嬉しかった。
「来年は好きな子と一緒に見れるといいね」
そう言えばコネシマは鼻を鳴らして花火を見上げた。
担任として、一大人として、人生の先輩として、この未来ある若者をきちんと導いてあげたいと私はコネシマと一緒に目の前の花火を見上げた。
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舞太郎 - 禁断の恋、､､背徳感があるねーｸﾞﾍﾍ(きも)更新頑張ってください！楽しみにしておりまーすんご (2021年10月8日 23時) (
レス) @page42 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 好き… (2021年7月17日 16時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乃鴉 | 作成日時：2021年4月8日 21時
