キミは神様

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神様side


主演俳優の重岡さんて、
酔っぱらうと、
訳の分からん事、言う。


去年の夏に、
俺がこの劇団にうつってきて、
すぐの頃からずっと。


もう３ケ月経つ。


俺と１０年前に出会ってたとか、
俺は神様やったとか。


重岡さんて、
１個年上やねんけどさ、
たまに子供みたいやねんな・・・


「またその話っすか。
もういい加減にして下さいよ。
そんな昔、俺まだ高１やし」


「そうやねんけど、
神様にそっくりやねんもん。
いうか、本人やねんて！
信じて。
なあ、流星も見たやろ？
鈴木が神様に黒板消しぶつけられて、
チョークまみれになるとこ」


重岡さんはビールを一気に煽った後。
藤井さんにうだうだ絡んどる。

お酒弱いくせに、こんな飲んで。

ほんまに・・・


なんて、心配するのは、俺の役目とちゃうよな。


藤井さんは、
この劇団の演出家で、
重岡さんの彼氏やって噂。


二人は実は高校の時の同級生らしい。


そん時は、
ただの同級生で、

この劇団で再会して、
付き合うようになってんて。


めっちゃ似合いの二人やて、
みんなが言うてて。

俺もそう思うねんけど。


ならなんで、俺にちょっかいかけんねんて。

重岡さんには、
ちょっとムカついとったりする。


あっちは、
年下の新人、からこうてるだけで、
ちょっかいかけてるつもりもないんかも、って、
それもまたイライラしてて・・・


俺一人、ドキドキさせられてるみたいで、悔しい。


「流星ぇ、聞いてる？」


重岡さんが、自然に、
藤井さんの腕につかまって、
肩にもたれかかった。


いや、恋人同士やねんから、当たり前やけど。


なんでか、モヤモヤしてまうねんて。


「大毅、もう酔い過ぎやって。
神ちゃん、呆れとるで？」


「流星、ほんまに覚えてへん？
鈴木が、こーんな顔真っ赤っかにしてさ！
俺、それで高校辞めてんやん。
流星に告白した日ぃやん！」


「それは覚えとるけど、
神様も神ちゃんもおらんかったわ」


藤井さんは、
重岡さんの言うことなんか、
まともに聞いてへんねん。


いや、俺もやっちゅうねん。


最初会うた時、

俺の小指見てさ、


赤い糸、ない！って、

真顔で言われてん。


ほんま、何やねん・・・

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