キミは神様

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「大毅、この怪我のこと、
お母さんにどうしたん？聞かれたら、
ちゃんと説明するねんで？」


優しいけど、有無を言わせへん口調で、そう言われたけど。

出来るか、自信ないわ・・・















１９時過ぎに、
スーパーの袋抱えて、おかんが帰って来た。

バタバタ家事始めてさ、
めっちゃ慌ただしい。


俺はこの時間いつも部活でおらんから、
夕方のおかんの忙しさなんか知らんかった。


「大ちゃん、どうしたん？
部活は？」


俺に背中向けて、料理しながら、
責めるように聞いてくる。


「あんな、手ぇ怪我したから・・・」


「手に怪我したん？
練習で？
大丈夫？
バスケ出来るん？」


「うん、大丈夫。
この怪我な・・・」


やっぱり、言われへん。


鈴木にやられたなんて。


神様が俺の後ろで、


「頑張れ！」


って、応援しとるけど。

ううんって、首を横に振る。


その時、電話が鳴った。


「何やの、この忙しい時間帯に」


おかんが慌てて、電話に出てる。


「はい。
大毅は帰ってますけど・・・
えっ・・・
そうなんですか？
そんな・・・
サボった挙句、寄り道を？
申し訳ありません。
きつく言い聞かせておきますので。
退部だけは・・・」


多分、鈴木や。


おかんが、
哀れむような、
責めるような、

複雑な顔で俺を見た。


その視線が痛くて、


気付いたら、

何にも持たずに、
マンションを飛び出しとった。


悪いのは全部、俺にされる。


神様、追いかけて来てくれへんねん。


どうしちゃってんやろ。


ピンチの時は、
いつもそばにおってくれるのにな。


神様さえおってくれれば、
もうそんでええのに・・・


公園でブランコに揺られとったら。


しばらくして、おかんが血相変えてやって来た。


怒られる。


ブランコの鎖、ぎゅっと握って、俯いた時。


ふわっと、懐かしい、おかんの化粧品の甘い匂いがした。


抱きしめられとる？


最初、驚き過ぎて、分かれへんかった。


「大毅、ごめんね。
気付かんと。
辛かったやろ？
まさかあの鈴木先生が、
暴力教師やったやなんて」


なんで？

俺、なんも言うてへんのに・・・

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