かくやすぶっけん《雪》

にじゅうなな。 ページ29

それから、らうちゃんと一緒に舘さんが作ってくれた夕飯を食べながら、続々と帰宅してくるみんなを出迎える。



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「おかえりなさい〜」

辰「ただいま。うわ美味そっ！」

蓮「腹減ったー。」



各々が違う仕事をしているから、全員で食卓を囲めることはないけれど。


共有リビングはいつも賑やか。



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今日は、私が一足先にお風呂に入らせてもらって、リビングに戻ると。


みんな揃ってテレビの前に集まっている。



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「何してるんですか？」


少し離れたところから、それを眺めていた亮平さんのTシャツの裾を引っ張る。


亮「テレビつけたら、丁度ホラー映画やってて。あいつらが…見たいって言うから。」



あいつら…とは、おそらく、テレビの1番近くでゲラゲラ笑いながら見ている、ふっかさんと佐久間さんのこと。

ホラー映画の一体どこに、笑う要素があるの…？



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私はちょっとこういうのは…



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亮「怖いの無理なの？」

無意識に、裾をつかむ手に力がこもっていたようで。


「す、少し…。亮平さんは、平気なんですか？」

亮「うん、俺はなんとも。」

と、涼しい顔で答える。



まじか…ちょっと意外…


なんて考えていたら。



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「「うわぁぁぁぁ！！！」」


誰から悲鳴が上がったのか、わからなかったけど。



照くん、翔太くん、康二くんが、遥か後方に走り去っていくのが見えた。




私は、思わず亮平さんに抱きついてしまって。



亮「うぉっ」

「ご、ごめんなさい！！」



彼を突き飛ばすように離れようとすると。


背中に手を回され、逆に引き寄せられてしまった。



「ちょ…！」


思わず彼を見上げるけど、相変わらず涼しい顔をして、こちらを見てくれない。

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