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答えはないから君の声を聞かせて 01 ページ22

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「最近どうなのお前」









 ジョッキを片手に唐突に彼が私に尋ねる。何度も訪れている居酒屋。付き合っていた時も何度か来たことがあるこの場所は賑わっていて騒がしい。









『どう、って』
「ほらこの前飲んだ時相当荒れてたから」
『別にどうってことないよ 普通』
「俺には全然普通に見えないけどな」
『‥‥‥‥別に 元の生活に戻っただけよ 今まで通り』
「やっぱ別れたんだな」
『別れたも何も付き合ってもないから。始まってもいないの』









 自分で言って哀しくなる。そうだ 別れたわけじゃない。だって私達は付き合ってたわけじゃない。ただの身体だけの関係だった。









「だからそんなのお前に合わないって言っただろ?」
『もう会う事ないしいいの 説教ならやめてよね あんたにだけは言われたくない』
「だから本当にあの時は悪かったって!」
『もういいよ 今更。終わったことだし』
「‥‥俺があの時よそ見なんてせずにいたら‥‥今も俺達付き合ってたかな」
『‥‥‥そうかもね わからないけど』









 隼人に浮気されなかったらあの日あの時あの場所で隆弘と出逢うこともなかった。こんなにももどかしくてこんなにも悲しい気持ちになる事も無かった。どう足掻いたって手の届かない相手に堕ちてしまう辛さを知ってしまったから。









「あんな最低な事した俺がこんな事言う権利もないのも分かってる。許されないのもわかってる。でもやっぱ俺はお前が好きだからさ、笑っててほしいよ 好きなやつには」
『隼人‥‥‥‥』
「好きなら好きってちゃんと相手に言えよ」
『‥‥‥‥言えるわけないじゃない‥‥‥だって彼にはもう、』
「始まってないなら終わってもねーだろ?」
『それ、は‥‥‥‥‥』
「いい加減スッキリしてこいよ じゃなきゃ俺もいつまでたっても諦めつかない」









 儚く笑う隼人に何も言えなかった。勝手だと分かってる。私を傷つけたのもこうなったのもそもそも全てがコイツが原因で‥‥‥だけど隼人との別れがなければ隆弘には会えなかった。優しい笑顔も落ち着く声もあの温もりも全部、大好きだった。









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ちえた - 読みやすくて面白かったです。ストーリーもしっかりしているしドラマを見終わったような感覚になりました。沢山夢小説がある中でも作者さんのお話が一番好きです。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: 1794f74939 (このIDを非表示/違反報告)
鋳柘 - これほんとにおもしろかったー!!!おもしろすぎていっきによんでしまいました!面白い作品をありがとうございました (2017年7月26日 10時) (レス) id: 16c2882a48 (このIDを非表示/違反報告)
kanon_nissyaaa(プロフ) - めっちゃ続き楽しみです!! (2016年12月29日 14時) (レス) id: 9fbf0645f6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ちなつさん» ありがとうございます!ご期待に添えるように頑張ります! (2016年12月9日 8時) (レス) id: c45a6620fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - TAKAUNOさん» ありがとうございます!不定期ですがお付き合いいただけると光栄です。 (2016年12月9日 8時) (レス) id: c45a6620fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月8日 0時

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