全部投げ出して未完成な愛に触れたいよ 02 ページ18
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「……なんか久しぶり、かな？」
『最近会ってなかったもんね』
「A、お酒の匂いする……」
『そりゃ、相当飲んできたからね』
「誰と……？」
その問いに元彼だと伝えると隆弘の顔から笑みが消えた。不機嫌そうな そんな顔。どうしてそんな顔するの。本当はどうでもいいくせに。
「元カレと居たんだ」
『そうだよ？悪い？』
「よく自分のこと裏切った奴といれるね」
『隆弘には関係ないでしょ』
「関係ないことはないでしょ そいつにフラレて自暴自棄になってた時に俺達出逢ったわけだし」
『ああ、そんな時期もあったね。でももうそんなの過去の事だし。アイツ意外にいいやつなのよね』
「………………じゃあ、もう俺は必要ないってこと？」
『え？』
隆弘の体がスーッと離れていく。いつもの穏やかな隆弘はそこには居なくて。苛立ったような気だるげな彼の姿が目に映る。こんな隆弘を見たのは初めてだった。私の知らない顔。
『隆弘こそ私なんてもう必要ないんじゃない？』
「は……何で、」
『自分こそ本命の彼女、いるくせに 私はただの遊びのくせに』
「…………それ本気で言ってんの？」
『言ってるよ？』
「……Aって、ほんとに何もわかってねーんだな」
『意味わかんない……』
「もういいよ 好きにすれば？」
『……言われなくてもするわよ！』
「………………あっそ。じゃあ俺帰るわ」
パタリと閉まった扉。去っていった隆弘の背中はひどく冷たかった。あんなに感情的になった彼を見るのは初めてだった。こんな風に言い争った事も勿論無い。……もう、終わりなのかな。隆弘に嫌われた。最後まで素直になれなかった。どうしてあんな言い方しかできないんだろう。一番じゃなくたって、二番目じゃなくたって、遊びだったって。こうして逢いに来てくれて嬉しかったのに。なんで素直に言えないんだろう。追いかけて、ごめんねって言えばいいのに。それすらできない私はただの弱虫だ。傷つきたくないだけの馬鹿な女。
着火したら最後 もう戻れない→←全部投げ出して未完成な愛に触れたいよ 01
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ちえた - 読みやすくて面白かったです。ストーリーもしっかりしているしドラマを見終わったような感覚になりました。沢山夢小説がある中でも作者さんのお話が一番好きです。 (2017年8月6日 20時) (
レス) id: 1794f74939 (このIDを非表示/違反報告)
鋳柘 - これほんとにおもしろかったー！！！おもしろすぎていっきによんでしまいました！面白い作品をありがとうございました (2017年7月26日 10時) (レス) id: 16c2882a48 (このIDを非表示/違反報告)
kanon_nissyaaa(プロフ) - めっちゃ続き楽しみです！！ (2016年12月29日 14時) (レス) id: 9fbf0645f6 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - ちなつさん» ありがとうございます！ご期待に添えるように頑張ります！ (2016年12月9日 8時) (レス) id: c45a6620fe (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - TAKAUNOさん» ありがとうございます！不定期ですがお付き合いいただけると光栄です。 (2016年12月9日 8時) (レス) id: c45a6620fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北 | 作成日時：2016年8月8日 0時
